元三菱商事秘書が挑むローソンの「2位復帰」 玉塚氏との役割分担は変えず社長へ昇格

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――加盟店オーナーが不足している中、1200出店は容易ではないと思います。

今、国内1万2000店に対して、オーナーの数は約6500人。1人平均2店舗ぐらい持っているが、単店舗の方もたくさんいる。そうした中で意欲のある方は複数店経営していただいており、4店舗を超えるとマネジメントオーナー(MO)という資格を与えている。

現在140人ほどいて、新しい商品やシステムを導入するときに意見をもらっている。成功している事例を横展開できる力がある方々なので、こうした方々の力を借りながら、スピード感を持って店を開けていけると思っている。

鈴木敏文氏は偉大な人

――今年2月の全社員集会で玉塚会長は「必ず2位のポジションは死守できるし、1位のポジションもまだまだ狙える」と話していました。竹増社長はこの言葉をどのように受け止めましたか。

2月の全社員集会。「必ず2位のポジションは死守できる」と玉塚氏は語った(撮影:風間仁一郎)

今年から1000日全員実行プロジェクトと銘打って、さまざまな手を打っていく。

だが、実は昨年からいろいろな準備はしてきた。加盟店オーナーとの契約内容については、光熱費と廃棄ロスの一部を本部負担にする内容に切り替えている。廃棄ロスが加盟店全負担だったら商品を積めない。

また、各店舗にはセミオートという半自動発注システムも導入したことで、加盟店の発注時間は2時間から30分に短縮できた。店舗ごとの販売動向を見極めた発注を本部が加盟店に推奨することで、機会ロスも減らすことができる。

6月末には品ぞろえの拡充を目的とした店舗改装を終える。コンビニ最盛期にあたる7~8月にローソンの店舗をお客様に見ていただいて評価をしてもらう。地域の商売がどのように変わるか非常に楽しみだが、そううまくはいかないと思う。しっかり検証して、秋冬につなげていきたい。

前期は単体で減益と言われたが、これは織り込み済みでやってきた。ここから刈り取っていく。まずは地域で一番店になっていきたい。

――5月末にはセブン&アイ・ホールディングスを長年率いてきた鈴木敏文氏が経営の一線から退きました。

偉大な人という一言に尽きる。みんなが鈴木さんの背中を見てきた。今後も、名誉顧問として残られると聞いている。これからも業界内で切磋琢磨させてもらい、いかにお客さん、消費者の方々、街にとっていいコンビニであり続けられるか。いっしょにギシギシやっていきたい。

又吉 龍吾 東洋経済 記者

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またよし りゅうご / Ryugo Matayoshi

2011年4月に東洋経済新報社入社。これまで小売り(主にコンビニ)、外食、自動車などの業界を担当。現在は統括編集部で企業記事の編集に従事する傍ら、外食業界(主に回転ずし)を担当。趣味はスポーツ観戦(野球、プロレス、ボートレース)と将棋。

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