「英語格差」を乗り越えるための新常識とは?

植えつけられた苦手意識はこう取り除け!

「英語格差」も同じような問題を生む。国際共通語である英語が分からないと重要な情報を理解できず情報弱者になる。東北大震災の時も、英語でインターネットを検索し海外の情報を理解できる人は原発事故の情報をすぐに入手できたが、英語が苦手な人は政府の発表だけで判断することを余儀なくされ不利益を被った。

英語が話せないと、自分を守るために発信できず、結果として社会的弱者になる。たとえば海外で何か起きた際に英語が話せるのと話せないのとではトラブル対応に大きな格差が生まれる。無実の罪でいきなり拘束された観光客が英語で身の潔白を説明できず、日本大使館を呼んで欲しいとすら言えなかったために有罪となり、実刑判決を受けるという事件が実際に起きている。言語が話せないことは社会での弱者になることを意味する。

そして、英語が使えない人間は仕事に使えないとなり就職もままならず、英語能力のある人びとと比べて経済格差が生まれる。大手企業が採用や昇進の際にTOEICスコアを重視する方針を打ち出したことが衝撃だったのは、英語検定試験で就職や昇進が決められてしまうことがあまりにもあからさまだったからだ。

単なる外国語のひとつであった英語が、国際共通語としての地位を確保してから特権的な言語となり、そのような権力を得た英語を使えるか使えないかは、個人としてだけでなく、世界における日本の地位をも左右する。この危機感から政府は「グローバル人材育成」に躍起となって英語力強化をはかり、それは小中高大学までの英語教育に多大な影響を与えている。英語ができる生徒/学生とできない生徒/学生との溝はますます深く広くなっているというのが「英語格差」の現実である。

解決への糸口

これをどうにかしないと教育が歪む、ひいては日本社会の未来が危うい、と案じてはいたが、その解決については、英語一辺倒の国家政策を批判することに終始しがちで、確固たる具体案は摸索中であった。

ところが、編集者から「英語格差」という一言が出てきた途端、なぜか「そうだ、みんなが英語をできるようになれば格差はなくなるじゃないか」という内なる声が聞こえてきた。「それは、確かにいえる。でも、どうしたら、みんなができるようになる?」という自問自答の中で生まれたのが、「英語の学び方を語ったらどうだろう」である。

それまでも編集者は何度も、「自分自身も一英語学習者なので具体的な学習法が知りたい」と提案していたのだが、私は「ハウツー本なら他にいくらでもあるから、私が書く必要はない」と考えていた。それなのに「英語格差」という一言で、英語が苦手な人、英語が必要なのにできない人、英語嫌いの人たちに、英語学習法をアドバイスすることで「英語格差を飛び越えてもらいたい」という思いがふつふつと涌いてきた。

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