マイケル・ムーアが世界中を「侵略」する理由 「良い制度は持ち帰って米国も見習うべき」

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――こうなったら侵略した成果を公約に、ムーア監督が大統領選に出てくださいよ。

大統領選になんか出馬しちゃったら、忙しくなっちゃうからね(笑)。僕はのんびりと生活したいし、やめとくわ。

フランスの給食をムーア監督が取材。本格的なフランス料理が出てくる様子にビックリ (C)2015, NORTH END PRODUCTIONS

――ここで描かれていることはアメリカにはないものだとおっしゃっていましたが、これは日本にもないものばかりでもあるように思いました。

君の言う通り。この映画を観ていただけると、日本の皆さんにとっても学べる要素がたくさんあると思う。

――これをすべてアメリカが取り入れたら、アメリカはすばらしい国になると考えているんですよね。

そうだね。この映画に出てくる制度を見習ってアメリカでも取り入るようになったら格段に良くなると思う。実際に取り入れるべきだという声もたくさん聞いているしね。

――日本の政治家がこういう映画を観に行ったという話はなかなか聞きません。どうやったら彼らに映画を観てもらうことができますかね?

でも、実際は観てくれているんじゃないかな。たとえ本人が観ていないとしても、きっとまわりのスタッフなんかが観て、薦めてくれているだろうしね。というのも、政治家としての保身という意味合いもあるだろうけど、やはり選挙の戦略を立てる上で、国民の大多数が何を考えているかは知らないといけないわけだから。アメリカは広大な国だけど、少なくとも数百万人が観れば、それなりの影響力はあるからね。

――そうだといいんですが。ただ、日本では文化に理解がある政治家がそれほど多くはないんですよ。

ハハハ。まあ、そういう石頭は観ても分からないだろうから、ほっとけばいいんじゃない?

国民の多くはトランプ候補には投票しないよ

――一方、アメリカではドナルド・トランプが大統領候補になっていて、日本でも心配する声が多くあがっていますが、彼はアメリカをいい国にしてくれるのでしょうか。

君たちが心配するのは当然だよ。ただ、そこまで過剰に心配する必要はないと思う。アメリカで選挙権を持つ80%くらいは、女性や有色人種、18歳から35歳までの若者層であって。トランプはその層をひどく侮辱しているからね。だから彼にはきっと投票はしないよ。だから大丈夫じゃない? きっと彼は当選しないよ。

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