アルファロメオ復活のFR「ジュリア」の正体 豪快な加速と野蛮な音質で、意のままに走る

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比べて、日本人用に用意されたガソリン仕様のプリプロダクション個体は、実用域での使い勝手も十二分で、パフォーマンスに不満はなく、よく走る。クルマの軽さが生かした走りだ。官能面において、昔のツインスパークレベルを期待するとがっかりするが、それでもディーゼルよりは気持ちいいし、洗練されていた。個人的に現時点では、ガソリン仕様を勧めたい。

内外装の見映えは問題あり?

性能面での不満はほとんどない。けれども、内外装の見映え質感には、いろいろと文句を付けたくなった。特に、アルファロメオは、このジュリアでドイツプレミアム御三家と肩を並べる意向のはず。ジャガーやキャデラックといった“敵ながら同志”のレベルを考えると、ちょっとマズいと言わざるを得ない。

クワドリフォリオには、レザーやアルカンタラがふんだんに活用されているのでまだいいとして、ノーマルグレードのインテリア質感演出には、もうひと工夫が欲しかった。ダッシュボードフェイシアの型押し加工など、いかにも古くさい。もっとも、それがクラシコ・イタリアーノの着こなしだと言われれば、それまでだけれども。

近い将来、このジュリアには、高性能直4ターボグレードや、マセラティと同じV6を積んだグレード、さらには派生モデルも予定されている(クーペが先かワゴンが先か?おそらくはアメリカ市場を睨んでクーペだろう)。さらには、もうひとクラス上のサルーンに、大小2つのSUVも待ち構えている。これらが成功した暁には、スポーツモデルの6Cがデビューするだろう。それにはきっと、ジュリア用のフェラーリ製V6ツインターボが積まれるはず……。

妄想だけでこうもワクワクできる。それもまた、アルファロメオというブランドならではだろう。

(文:西川 淳)
 

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