「貝」マークを外したGS 昭和シェル石油の決断

「貝」マークを外したGS 昭和シェル石油の決断

神奈川県藤沢市にあるコンビニエンスストア「ローソン藤沢白旗四丁目店」。1月下旬にオープンしたばかりの店舗の一角に給油施設がある。といっても、洗車機などはなく給油機だけという簡素な造り。来店客が自分で給油するセルフ式で、コンビニの店員がガソリンスタンドの係員を兼務している。

コンビニ併設型スタンドというより、さながら“ガソリンも売っているコンビニ”といった風情である。

半数のスタンドが赤字 国内需要は「ピークアウト」

このローソンとスタンドの一体型店舗こそ、いま昭和シェル石油が進めているリテール戦略の象徴的存在だ。店舗は昭和シェル系列特約店の100%出資子会社が運営。同型店はほかに、埼玉県東松山市と東京都八王子市の2カ所にある。

消費者ニーズに応じて給油所のビジネスモデルをきめ細かく分類する--、それが同社のリテール戦略。コンビニとのコラボ店には、ローコストのメリットを享受しつつ、顧客のワンストップショッピング志向も満たそうという狙いがある。

「国内のガソリン需要は減少しているが、日本は米国、中国に次ぐ世界3位の巨大マーケット。あくまでも本業中心に日本市場での存在を確たるものにしていく」。2007年10月の事業概況説明会で、新美春之会長はこう抱負を述べた。

だが、肝心のスタンドを取り巻く経営環境といえば、これまでにない厳しさに襲われている。

 国内のスタンド数は06年度末時点で約4万5000店。最近では毎年度1000店以上のペースで減少が続いている。経費節減などを理由に、いわゆるフルサービス型の店舗からセルフ式へ切り替える動きが強まっているが、それでも営業損益段階で全国の約半数のスタンドが赤字という悲惨な状況にある。

収益減の最大の要因が、国内需要の冷え込み。ガソリン販売は05年をピークに下降へ転じ、07年には6000万キロリットルを割り込んだ。「かつては石油業界で“ピークアウト”という言葉を使うことなど御法度だったが、今はそんな声すら聞かれなくなった」(業界関係者)。


 原油価格高騰がさらに冷や水を浴びせる。値上がりが急ピッチで、元売りの川下スタンドに対する価格転嫁は遅れぎみ。それはスタンドとて同じで、価格転嫁どころか周辺との価格勝負に追われている。双方余裕がない中で、「04年の原油価格の本格上昇以降、元売りと小売りの関係がギクシャクするようになった」との声も関係者から漏れてくる。

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