若者に「起業ってカッコイイ」と思ってほしい Slush Asiaが目指しているもの

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幕張メッセに組まれた照明やステージは、ほぼコンサートで使用するものと変わらないだろう(写真:Petri Anttila / Slush Asia2016)

Slush Asiaは、そのアジア版。昨年、起業支援組織Mistletoe代表の孫泰蔵氏らの応援のもとで結成されたTeam SLUSHが、第1回を開催。お台場に約3200人の若手起業家、投資家、企業関係者が集結。本年は、規模を拡大し、幕張メッセでの約4000人のイベントになりました。グローバルなイベントなのでスピーチやスタートアップのピッチ(プレゼンテーション)はすべて英語です。

広い会場は、全体に照明を落として、暗がりの中にSlushロゴの円筒提灯が多数浮かび上がる幻想的な空間。レーザー照明の光により、メインステージ、起業家プレゼンテーションのステージ、スピーカーと聴衆が交流するコーナーが照らし出されています。ベンチャー企業のブースや大企業のブースでは、先端的な技術やサービスを展示。会場のいたるところに起業家同士、起業家と投資家が打ち合わせのできるコーナーが設置されています。

メインステージでのスピーカーは、ソフトバンクグループのニケシュ・アローラ副社長や、アリババCTOの王堅氏など、通常のイベントでは見られない豪華な顔ぶれ。孫泰蔵氏、DeNAの南場智子会長、グロービスの堀義人代表、厚切りジェイソンことジェイソン・ダニエルソン氏も会場を盛り上げました。

ピッチファイナリストたち(写真:Petri Anttila / Slush Asia2016)

各スピーカーの講演の中では、最新のイノベーションの動向とともに、パッション(情熱)、アクション(行動)、チャレンジ(挑戦)、パーサヴァランス(踏ん張り)といった起業家精神に関わるキーワードが一貫して語られ、世の中を変えようとの呼びかけで、聴衆の熱量は上がりました。

スタートアップのピッチコンテストでは、世界中の応募者から選定された60社が、事業にかける想いやプランを発表。優勝は台湾のSkyREC。モニターを通じた顧客の行動分析で小売り店舗の売り上げ向上を図るサービスです。

学生中心の企画・運営

冒頭にも記しましたが、今回のSlush Asiaの特徴は企画・運営を学生が中心で実施したこと。昨年は、実務に慣れた社会人と学生の共同作業だったのですが、今年は、企画、スポンサー募集、スピーカーや出展者との調整、会場の準備、当日のプログラムの進行、聴衆の誘導などをほぼ学生チームで取り組んでいます。

SNSや大学での説明会などで、500人の学生ボランティアが集まり、チームを結成。総務、スピーチ担当、コンテスト担当、会場担当などの役割分担を決めてイベントを作り上げました。

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