アコーディアにホワイトナイトは現れず 大幅増配でひとまず買収対抗

拡大
縮小

大幅増配については、今期限りの短期的な措置ではなく、来14年3月期以降も当期純利益の90%をメドに配当することを明示した。会社側が同時に発表した新中期経営計画によると、1株当たり純利益は来14年3月期が7238円、15年3月期8084円、16年3月期8693円、新中計最終年度の17年3月期が9325円を想定。この新中計をもくろみどおり達成できた場合の配当のおおよそのメドは、14年3月期が6500円前後、15年3月期が7300円前後、16年3月期が7800円前後、17年3月期が8400円前後の計算になる。

規模拡大から株主還元重視に転換

こうした新中計の達成に向けて、アコーディアはこれまでの「ゴルフ場取得による規模の拡大」から「ゴルフ場の質の向上による収益の拡大」へと戦略の舵を大きく切り、合わせて配当重視政策に転換。今後は株主還元策を拡大し、持続的で安定的な高配当を実施することを打ち出した。ゴルフ場事業が大きく伸びない中、ゴルフ練習場とゴルフ用品ショップを伸ばす方針もあらためて表明した。

会社側の説明資料によると、東証1部銘柄の12年9月末時点における予想配当利回り(株価に対する年間配当の利回り)は2~2.5%が最も多く、全体の6割の企業が配当利回り1.5~3.5%の水準に納まる。アコーディアの場合、今期に予定されている5500円配を、PGMがTOB価格として提示している8万1000円で割った配当利回りは6.8%。数字の上では上場REIT(不動産投資信託)並みの高利回りとなる。

12月3日に開かれた説明会の場で、アコーディアの鎌田隆介社長は「世界最高水準の配当性向」と強調。純利益の9割を配当に回したとしても、「設備投資と借り入れ返済のための余力はある」と説明した。

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