頂点にいる人は「具体的な努力」を続けている マッキンゼー出身お笑い芸人が感じたこと

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石井てる美(いしい てるみ)/1983年、東京都出身。東京大学工学部卒業、同大学院修了。2008年、経営コンサルティング会社マッキンゼー・アンド・カンパニー・ジャパン入社。お笑い芸人になることを志し、2009年夏に退社。同年10月、芸能事務所ワタナベエンターテインメントのお笑い芸人養成所ワタナベコメディスクールに11期生として入学。現在、ワタナベエンターテインメント所属のお笑い芸人として活動中。TOEIC 990点、英検1級。著書に『私がマッキンゼーを辞めた理由―自分の人生を切り拓く決断力―』(角川書店)

石井:まだ40だし、見た目もお若い。本当に優秀な人って、年齢とかまったく関係ないですね。

塩野:いやいや(笑)。コンサルタントは実年齢よりも上に見えたほうがいいですからね。20代のときは、もう本当にオッサンぽくしたかったです。そうこうしているうちに実年齢がだんだん追いついてきて、今追い抜こうとしているわけです。

さて、本題に入ります。石井さんのキャリアストーリーを伺いたいのですが、マッキンゼーを辞めて、芸人の世界に入られてから何年になりますか。

石井:2009年夏にマッキンゼーを辞めているので、なんともうすぐ7年経っちゃいます。マッキンゼー時代が1年ですから、もうその7倍ですね。

塩野:7倍。700%。そういう計算しちゃいますか。

石井:はい、そういう計算しちゃいますね。この世界ですでに700%の期間を過ごしているんだな、と。ただ、養成所に1年いましたし、その後、何やかんや1年、何もやってなかった時期があるので芸歴は5年目と言っています。

平日の昼間に家にいていいことのつらさ

塩野:勤めていた頃といちばん何が変わりましたか。

石井:まず、月曜日から金曜日まで、朝起きても通う場所がないんですよね。これはけっこう大きな変化でした。平日の昼間に家にいてもいい。まず自分の中の常識を塗り替えるところから始まりましたね。

人間って不思議なもので、暇だとうれしいわけじゃない。病むんですよ。あの「マズローの欲求段階」って、よくできていますよね。社会に承認されてない、所属している組織がない、という状態に置かれると、人はものすごく不安に駆られるんです。

塩野:マグロやカツオみたいに泳ぎ続けていないと死んじゃう人、いっぱいいますもんね。

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