ぐんぐん伸びる「観察眼がある子」の育て方 家庭内の簡単な習慣で大きく変わる!

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その5:人間観察ゲーム(別名:マーケティングリサーチ・トレーニング)

親子で遊ぶ人間観察ゲームです。電車内でスマートフォンを見ている人以外は何をしているか?ガラケーを持っている人にはどのような特徴があるか? すべて自分の“勝手”な見方でいいのです。別に、論文を書いて発表するわけではないので。このように意識して、ある事柄にフォーカスして遊びましょう!人は何かにフォーカスしないとよくは観察しないですから、その機会を意識的に作るのです。

そして親子で「発表」し合いましょう。子どもはよく見ているもので、その観察眼には驚かされることが多いでしょう。また、車が渋滞にはまってイライラが募るとき、寝ることや車内搭載のテレビを見て過ごすのはもったいないことです。このようなときにこそ、観察ゲーム開始です。

「パターン認識」は重要な能力のひとつ

勉強の世界では、「パターン認識」は重要な能力のひとつです。つまり「同じ内容か、若干異なる内容か、まったく異なる内容か」ということを区別することです。まったく異なるパターンは誰にでもわかります。問題は若干異なるときにわかるかどうかなのです。

区別する力は、程度の差こそあれ誰にでも習得可能なことです。しかし、日頃、ワンパターンなことばかりやっていたり、知識を無機的に覚えていたりするだけでは、いつまでも習得できません。そこで、“微妙な違いを観る訓練”を日常にさりげなくいれていくと、それが習慣化されて、勉強の世界でも応用が利くようになっていきます。子どもの観察眼を養う過程で、親の観察眼も“ついでに”養われていくという効果があります。一石二鳥です。

何気ないいつもの風景に、思わぬ気づきがあり、日々の生活に潤いと張合い、そして楽しみが増えていきます。「なぜ今まで、気づかなかったのだろう?」と不思議に思うことでしょう。親子で、観察眼を日常生活でトレーニングすることは、勉強ができるようになるということにとどまらず、家庭生活に大きなプラスをもたらすことでしょう。

石田 勝紀 教育デザインラボ代表理事、教育評論家

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いしだ かつのり / Katsunori Ishida

1968年横浜生まれ。20歳で起業し、学習塾を創業。4000人以上の生徒に直接指導。講演会やセミナーを含め、5万人以上を指導。現在は「日本から 勉強が嫌いな子を1人残らずなくしたい」と、Mama Cafe、執筆、講演を精力的に行う。国際経営学修士(MBA)、教育学修士。著書に『子ども手帳』『子どもを叱り続ける人が知らない「5つの原則」』、『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』ほか多数。

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