駅前「豪華タワマン」は誰が買っているのか 知らないと損する不動産業界「絶好調」の裏側

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不動産に投資する上で「知らないと損をする」カラクリを解説します(撮影:尾形文繁)
不動産は2つとして同じものがなく、複雑な変数がたくさん存在する。そのため直観で買ってしまうことが多いが、投資で利益を上げるためには、合理的、論理的な判断が必要になってくる。
このたび『不動産投資の超基本』を上梓した牧野知弘氏に、ポジショントークを徹底的に排した「素人は見落としがち、だけど不動産のプロは必ずおさえている不動産のポイント」を解説してもらう。

不動産業界に追い風が吹いているカラクリ

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「マイナス金利政策で不動産は今こそ買い」といった記事や、低金利を背景とした不動産投資をすすめる書籍の発刊が増えている。大手不動産各社の業績も絶好調だ。各社の首脳からは「さらに東京都心部を中心に再開発を手がけていく」と勇ましい発言が相次いでいる。

一方で、国内消費の回復はもたつくどころか、いっこうに兆しすら見えてこない。為替が円高に振れはじめ、富裕層の財布のひもを緩めさせていた株高も、企業業績の雲行きが怪しくなるにしたがって動向を不安視する声が大きくなっている。

景気の先行きが悪いのに、不動産だけが好調、という世の中はありえるのだろうか。

業績が悪くなった企業が最初に手をつけるのが、オフィスの賃料や人件費に代表される固定費だ。オフィス賃料に関しては、新規のオフィス床の拡張を控えるようになるか、賃料の値下げを要求する。さらにもっと厳しくなれば、賃料の安いビルに移転することになる。

人件費に関しては、従業員の給料を下げる、もっと厳しくなればリストラを行って人件費の圧縮を図るのは、今やどこでも行われていることだ。

収入が減少した個人は、マンションを買うのを躊躇し、家賃負担に耐えきれない賃借人は、より安い条件のアパートへと引っ越しを始めるのが常である。

次ページ肝は「スクラップ&ビルド」
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