日産「セレナ」がステップワゴンに勝つ理由 「ママ」が認める発売6年目の箱型ミニバン

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日本自動車販売協会連合会(自販連)によると2015年度(2015年4月~2016年3月)のセレナの販売台数は6万0056台。

トヨタ系3兄弟の合計19万8909台には及ばないものの、ステップワゴンの6万3645台とは僅差。2016年に入ってからはまだ新車効果が残っているはずのステップワゴンに競り勝ち、車名別でみると2位をキープしている。

最新の安全技術を積極採用

見た目の古めかしさもあまり感じさせず、最新の安全技術をライバルに先んじて積極採用していることや、ハイブリッドをうまく打ち出していること、値引きの大きさなど購入面での手頃感などが健闘している主な理由だ。

2013年に自動ブレーキとともに、LDW(レーン逸脱警報)も設定

セレナは2013年12月に一部改良した際、「20S」というグレードを除く全車に「エマージェンシーブレーキ(衝突回避支援)」や「LDW(車線逸脱警報)」を標準装備化した(2015年11月には20Sにも標準装備化実施))。

対してライバルはトヨタ3兄弟が2016年1月にガソリンXグレードを除く全車に衝突支援回避パッケージ「トヨタセーフティセンスC」を標準装備化、ステップワゴンは2016年5月12日に安全運転支援システム“HONDA SENSING”がBを除く全タイプに標準装備化しており、セレナはライバルに先行してきた。

ヴォクシー、エスクァイアなどには今年1月にトヨタセーフティセンスCがほとんどの車種に標準採用された

自動車に詳しい関係者からするとその表現に違和感を覚えるケースもあるようだが、「自動ブレーキ」というわかりやすい言葉でエマージェンシーブレーキを消費者にアピールしているのもセレナの強みである。システム全体の総称とはいえ、トヨタセーフティセンスCやHONDA SENNSINGというのでは消費者にはわかりにくさもあるからだ。

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