「持たない経済」で得する人、損する人 大前研一が語る「アイドルエコノミー」

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「アイドルエコノミー」という考え方とはいったいどのような考え方なのでしょうか?(写真 :Graphs / PIXTA)
経営コンサルタントの大前研一さんがいま、提唱するキーワード。それが「アイドルエコノミー」。「モノあまり」の世の中で、「使われずに遊んでいるモノ」を使うというこの発想は、今後の消費、そしてビジネスをどう変えていくのか。新著『ニュースで学べない日本経済』を出版した大前研一氏に聞きます。

使われていないものを活用する「アイドルエコノミー」

これまで私は、10年に1回くらいのペースで、経営に関する新たなキーワードを提示してきました。自著『企業参謀』で提示した「3C分析」、その後提示した「Borderless World(国境なき世界)」「Invisible Continent(見えない経済大陸)」に次ぐ新しい概念として、今、私は「アイドルエコノミー」という考え方を提唱しています。

「Idle」とは、「使用されていない」「遊んでいる」という意味の形容詞です。今、特に先進国では物があふれています。一方で、その操業度が不足している。つまり、物ばかりがたくさんあって、それを使う人がいない状態なのです。

インターネットの発達によって今、「使われていないもの」を簡単に見つけることができるようになっています。インターネットで、“空いているもの”と“それを必要とする人”をつなぐことで、それまで無駄になっていたものに新たな価値が生まれるのです。需要と供給を特別な価格で結びつけ、アービトラージ(サヤ取り売買)で利益を得る経営戦略、それが「アイドルエコノミー」です。

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