レクサス超高級クーペ「LC」は何がスゴいか 社内組織刷新の意図も読み解く

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LCのお披露目に併せて、レクサスブランド統括するトヨタ社内カンパニー「レクサスインターナショナル」の新体制も発表された。従来は開発、デザイン、マーケティング、販売といった分野を統括してきたが、今後は人事や生産までそれを広げる。

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福市プレジデントを中心に企画から生産までの意思決定が明確にできるようになった

役員体制については営業企画、広報、マーケティングを担当する澤良宏氏と、製品企画、製品開発、生産領域を担当する山本卓氏が、それぞれEVP(エグゼクティブ・バイスプレジデント)という役割で、レクサスインターナショナルをまとめる福市得雄プレジデントの脇を固める。

1989年に米国で生まれたときは、「LS」と「ES」のみで立ち上がったレクサスだが、その後成長を果たし、日本に上陸を果たしたのは2005年のことだ。新しい販売網で当初は車種も少なく、これまで日本市場にはイメージすらなかったうえ、トヨタから切り出したという位置づけの高級車ブランドということもあって、メルセデス・ベンツやBMWなどのドイツ製輸入車と比べて当初は苦戦を強いられたことは否めない。

積極的な戦略が功を奏して近年は勢いがついている

レクサスインターナショナルをまとめる福市得雄プレジデント

一方、近年は勢いがついている。2015年には売れ筋SUV「RX」のフルモデルチェンジや最上級SUV「LX」の導入を始めるなど、積極的な戦略が功を奏して、販売台数は約4.8万台と前年比9%増となった。これは16年ぶりに輸入車1位となったメルセデス・ベンツ(約6.1万台)よりは少ないものの、同3位であるBMWの約4.6万台を上回った。

ラインナップの拡充に加えて、2012年に「レクサス本部」から「レクサスインターナショナル」として再編されたのは記憶に新しい。それまで、トヨタ自動車としては、北米、欧州、日本といった地域ごとにオペレーションがわかれていたが、この再編によって、「レクサスインターナショナル」がグローバルでのレクサスの舵取り役となった。

今年4月からは、トヨタが導入した社内カンパニー制によって、レクサスインターナショナルも福市プレジデントを中心に企画から生産までの意思決定が明確にできるようになった。

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