初めての宴会幹事に贈る「5つのオキテ」 幹事の仕切りぶりは仕事の評価に直結する

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「たとえば、親睦そのものが目的ならばリラックスして話せる店がいいだろうし、決起集会に近く、具体的な仕事の話が飛び交いそうなら個室にこだわる必要があるでしょう。いずれにしてもゴールによってセッティングする場や用意が変わってくるわけです」(吉山氏)

幹事たるものは、まずは上長や先輩に「今回の飲み会の具体的な目的は何ですか?」と聞く。あるいはもっと直接的に「ゴールはどこになるのでしょう?」と確認しておきたい。もちろんこのとき参加人数や日程なども、確認しておこう。

ゴールが決まれば「店選び」は絞られる。ただしここで「宴会 オススメ ○○駅」などとネットで検索する前にやっておきたいことがある。それは“ヒアリング”だ。当日の主役、たとえば歓送迎会なら送られる人が好む料理や雰囲気、あるいは、上司の好みなどを確認しておき「和洋中、何系の店がいいか」「予算はどの程度か」は事前リサーチをしておきたい。すでに幹事経験のある先輩に「これまでの飲み会はどこでどのようにやってきたのか」と聞き出して、参考にするのもいいだろう。

参加者を巻きこんだ上手な店選び

幹事のオキテ2 「店選びはクローズド・クエスチョンで、参加者に選ばせろ!」

ヒアリングで選ぶべき店が見えてきても、もう「それならここだ!」と一点張りで店選びするのは厳禁だ。

他人に意見を押し付けられると、反発したくなるのが人の真理。しかも、新人が独断で決めた一点張りの店など、諸先輩方にしたら、恰好のダメ出しの材料になる。「なんだよこの店」「若いねえ」などと、四方八方から矢のような非難や批判が飛んでくる可能性大だ。だからといって、参加者全員に「どんな店がいいですか?」などと聞き始めると、好き勝手な店が並び、収拾がつかなくなる。

「そこで実践したいのが、ゆるやかなクローズド・クエスチョンです」(吉山氏)

クローズド・クエスチョンとは、文字通り、“閉じた質問”のこと。「赤と青、どちらが好き?」などとこちらがあげた選択肢から選ばせるスタイルの質問だ。幹事はめぼしい店を3店舗ほど見つけたら、「①居酒屋A店、②中華B飯店、③スペインバルC店のどれがいいですか?」などと参加者に、それぞれの店のサイトや、ぐるなびのリンクと共に示してメールで発信するわけだ。

クローズド・クエスチョンにするメリットは、選択肢を質問者が絞れるため、導き出したい答えに誘導できること。選ぶほうも三択くらいならすぐに判断できて負担にならないし、選択制とはいえ「自分はこの店がいい」と手をあげたことで「お前が勝手に決めた店はダメだった」などと後からクレームをつけられずにすむ。さりげなく店選びに巻き込むことで、リスクヘッジになるわけだ。

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