「香港は東京より金持ち」…ってホンマかいな? シンガポール・香港 vs. 東京 (第2弾)

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意外と多いおんぼろアパート~激しい貧富の格差

確かにこっちの金持ちはケタ違いだ。

タイクーンとよばれる実業家の子息たちはビクトリアピークの頂上に何十億の家を構え、ベントレーとランボルギーニとフェラーリを乗り回し、香港のモデルや女優をプライベートパーティに招いている。しかもそのモデルエージェンシー自体を彼らが所有している。そして彼らは当然アメックスのブラックカードで、ゼロの数が2つ多い領収書に気前よくサインしてくれるのである。

しかしながら、皆が皆タイクーンなわけではない。

正直、一般市民のレベルでは日本のほうがまだまだ生活水準が高い気がする。香港では一般市民の中でもおカネをあまり持っていない層のアパートは極めて狭小で、まるで病棟のようだと地元の新聞でも非難されている。ちなみに香港の土地の高さは異常で一般市民が家を持てない、と大きな社会問題になっている(本問題は次回以降のコラムで詳細に綴る)。

都心には豪華な高層ビルが並んでいるが、中心部を外れるとボロボロのアパートも多い

香港はビクトリアピークを臨む高層金融ビルのイメージが強いが、少し中心部を外れるとえらく古い昔の九龍城のような建物が多く残っている。

きらびやかな生活を送る億万長者の皆さんとは異なり、低所得者層の住宅は数十年前のもので、かつ設備も悪く、道を歩いていると壊れた空調機から水がポタポタしたたり落ちてくる。これは大陸や諸外国からの人口流入に対し不動産の供給が追いつかないので、古いおんぼろアパートもつねに満室だからだ(これは金持ち外国人ビジネスマンの減少で供給過多になり、価格が急落した麻布や愛宕のマンションと対照的である)。

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