高卒外野手の栗山が、2億円を稼げるワケ 強みは、頭の良さと性格の良さ

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01年4巡目に育英高校から入団した左打者は、“純粋な高卒外野手”だ。05年から1軍に定着し、西武が4年ぶりの日本一に輝いた08年にはリーグ最多安打でベストナインに選出されている。

ドラフト4巡目と決して高くない順位でプロの世界に入った栗山は、いわゆる成り上がりだ。先天的な要素の強い足の速さ、肩の強さともに球界トップクラスとは決していえない。それでも、高卒外野手としてプロ入りした現役選手の中で、栗山は12年の推定年俸で最も高い2億円を稼いでいるのだ(出来高は除く)。

ちなみに、高卒外野手で年俸1億円以上を手にしているのは、わずか5人しかいない。すべての外野手に目を向けても、栗山以上の高給取りは3億3000万円の和田一浩(中日)と、2億2000万円の金本知憲(阪神、12年限りで引退)のみだ。

12年シーズン終盤、知人の報道関係者から興味深い話を耳にした。ある球団で編成担当を務める者から、栗山の性格面、頭のよさについて聞かれたというのだ。

ここに、栗山がドラフト4巡目から球界トップに上り詰めた理由が潜む。

プロのスカウトはアマチュア選手を獲得する際、性格面に目を光らせる。以前、『週刊東洋経済』のスポーツ&リーダーシップのコーナーで、広島の苑田聡彦スカウト部長に取材した際、こんな話をしていた。

「選手の伸びしろは、性格を見ます。たとえば練習の態度で、やる気があるか、ないか。やる気がない人はダメです。人のせいにするヤツもダメ。ベースカバーの際にピッチャーが怠ったとしても、内野手が『ピッチャーが悪い』とするのはよくない。それをみんなでカバーするのが野球。1つのボールを追いかけてやるものだから、他の競技とは違います。人の気持ちのわかるヤツが、ずっと伸びていく」

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