参院選「当落」予想!激戦区多い「近畿・中国」 大阪と兵庫の民進党は存亡の危機

拡大
縮小

兵庫は定数2から3への増員区。24年ぶりに公明党が独自候補を擁立する。まずは70万票を有する自民党と50万票を持つおおさか維新の会が2議席を獲得すると見られるため、残り1議席に注目だ。

公明党が92年に擁立したのは片上公人氏で、女性秘書とのセクハラトラブルが発覚し、1997年の最高裁で敗訴が確定した。独自候補を擁立しなかったのは、定数が減数されたことに加え、この事件のイメージが悪かったことも原因だろう。

ただし兵庫県は、公明党は2009年の衆院選で故・冬柴鉄三氏が落選した時以外は8区を確保。大阪とともに支持母体の勢力が強い地盤であるため、次期参院選では伊藤孝江氏を擁立した。

兵庫の民進党は存亡の危機

兵庫県の民進党は大阪府と同様、存亡の危機にある。2013年の参院選では、民主党は現職の辻泰弘参院議員が落選。2014年の衆院選でも、当選したのは11区の松本剛明衆院議員のみだったが、その松本氏も昨年11月に離党した。

よって民進党では、現職の国会議員は水岡俊一参院議員と維新の党から合流した井坂信彦衆院議員の2名のみ。これ以上減らすわけにはいかないので、なんとしても勝たなければならない。

そこで考えられた秘策は、共産党との共闘だ。衆院選になったら兵庫8区で共産党に協力する代わりに、参院選で強力を得るという方式。旧民主党は2014年の衆院選で候補を擁立しておらず、公明党と共産党の一騎打ちになっている。よって捨てても惜しくない選挙区だ。

だが共産党側はこれに難色を示している。1998年の参院選では大沢辰美氏を当選させたこともある。また同党の安武洋子氏は、1974年と1980年の2度当選を果たしている。

ただし衆参同日選挙の噂も出ており、そうなれば衆参にまたがる選挙区のバーターも双方にとってメリットが出てくるだろう。そしてもし実現して兵庫8区で共産党候補が勝つならば、大きく政治が変わるのではないか。

5月16日に民進党と共産党が政策協定を締結し、民進党の前川清成参院議員を統一候補とすることで合意した。ただし大阪のベッドタウンである奈良は、おおさか維新の会の勢力が強いために、これに票が喰われる可能性もある。

次ページ自民王国の和歌山は?
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT