バークシャーがアップル株に約10億ドル投資 AT&T株は全株売却

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5月16日、米著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いる投資会社バークシャー・ハザウェイは、アップル株を取得したことを明らかにした。カリフォルニア州サンタモニカで4月撮影(2016年 ロイター/LUCY NICHOLSON)

[16日 ロイター] - 米著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いる投資会社バークシャー・ハザウェイ<BRKa.N>は16日、アップル<AAPL.O>株に約10億ドルを投資したことを明らかにした。最近低迷しているアップル株価の回復を見込む。

米証券取引委員会(SEC)への提出文書によると、バークシャーは3月末時点でアップル株981万株を保有。これは10億7000万ドルに相当する。

16日の米株式市場で、アップル株は3.7%高の93.88ドルで取引を終えた。

SECへの文書によると、バークシャーは第1・四半期に保有していたAT&T<T.N>全株を売却しており、この資金をアップル株の取得に充てた可能性がある。バークシャーは年末時点で16億ドル相当のAT&T株を保有していた。

バフェット氏はIBM<IBM.N>を除き、ハイテク株への投資には長らく消極的な立場を取ってきており、今回のアップル株取得によって、バークシャーのハイテクセクターへのエクスポージャーが高まった格好だ。

バフェット氏のアシスタントが米紙ウォールストリート・ジャーナルに語ったところでは、今回のアップル株への投資はバフェット氏のポートフォリオ・マネジャーであるトッド・コームズ氏、テッド・ウェシュラー氏のどちらかによるものという。投資家は、2011年にバークシャーのインテル<INTC.O>株取得を主導したコームズ氏が有力とみている。

アップルの株価は昨年4月に記録した過去最高値を約30%下回っているほか、3月の株価水準も下回っている。4月終盤に発表した第2・四半期(1─3月)決算で13年ぶりの減収となったほか、スマートフォン「iPhone(アイフォーン)」の販売台数が初めて減少したことが株価低迷の背景にある。

バークシャーが保有するアップル株の価値は3月末時点で10億7000万ドルだったが、16日終値時点では約9億2100万ドルに低下している。

バークシャー株とアップル株の双方を保有するウォールマン・インベストメント・カウンセルの創業者、スティーブ・ウォールマン氏は、アップル株は「驚くほど割安だ。同社は大量のキャッシュを保有している」と指摘。「アップルは水面下で進めている研究・開発が評価されていない」と語った。

アップルの広報担当者はコメントの求めに応じていない。

バフェット氏はまた、米ヤフー<YHOO.O>のインターネット関連事業売却入札で、住宅ローン会社クイックン・ローンズの創業者ダン・ギルバート氏を含む企業連合を支持する方針を表明している。

*内容を追加しました。

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