安倍自民党総裁の金融政策を全否定

白川日銀総裁会見

9月、10月と2カ月連続の金融緩和を決めた後、景気の減速がさらに強まるような状況ではなかったため、11月20日の金融政策決定会合で、金融政策が現状維持と決まったのは予想通り。むしろ、市場が注目していたのは、衆議院解散後、自民党の安倍晋三総裁が発している日銀への過激な”注文”に、白川方明日銀総裁がどのような見解を示すのか、だった。

結論からいえば、白川総裁は「あくまで一般論」と繰り返しつつ、ことごとく否定的だった。

安倍総裁は講演で、2~3%のインフレ目標を設定し無制限に金融緩和を行うべきとの考え方を示したことが報じられている。一方、日銀が2月に設定した事実上のインフレ目標は「当面1%」。「今の日本経済で物価目標を3%にすることが現実的と考えるか」との質問に白川総裁は、バブル期の1980年代後半でも物価上昇率が平均1.3%だったことを挙げ、「(3%は)現実的ではない」と答えた。

「国民が望んでいるデフレ脱却は単に物価だけが上昇する事態ではなく、企業収益や雇用、賃金増加を伴って経済全体が回復し、その結果、物価がゆるやかに上昇していく状態だと思う」(白川総裁)と説明。かねて白川総裁は、政策目標の追求には「最適なスピードがある」と話しており、インフレ目標3%の設定はそれに沿わないということだろう。

ほかにも安倍総裁は、民間金融機関が日銀に保有する当座預金に対してつけられる金利(現状は0.1%)をゼロないしマイナス(日銀に預けるとコストが発生する状態)にし、当座預金に滞留するおカネが実体経済へ出るようにすべきとの考えを示している。これに対し白川総裁は「4つの論点が指摘されることが多い」と説明した。

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