アコーディアと経営統合の機は熟した PGM社長のTOB会見詳報

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太平洋クラブに対する再生支援計画(1月23日にアコーディアがスポンサーに名乗りを挙げていた)が中止され、アコーディアの企業価値が毀損するリスクがなくなったことも大きい。あの金額(買収金額280億円前後と伝えられていた)で太平洋クラブを買収すると、当然、アコーディアの企業価値は毀損する。この2つが主な理由だ。

私がPGMの社長に就任(1月25日付)したところで、個人的にアコーディアの経営陣に経営統合を提案したのがそもそもの発端。アコーディアとPGMは生い立ちもビジネスモデルもまったく同じ。だからこそ統合すべきという信念を持って提案したのだが、アコーディア前社長の資金流用等の疑惑発覚(4月中旬)を受けて、提案を凍結していた。

その間、われわれの兄弟会社(オリンピア、もともとアコーディアの大株主)が株主価値を保全するため、アコーディアの株主総会(6月下旬)でプロキシーファイト(委任状争奪戦)を行った。その総会を経て、アコーディアの経営もある程度安定し、コンプライアンス体制も一定の改善が見られたと見ている。

太平洋クラブに対する支援問題についても10月3日、東京地裁が同社の再生手続き廃止を決定。私としては「機が熟したかな」ということで、本日のTOB発表に至った。

目的は経営統合

買い付け価格8万1000円はプレミアムが50%ぐらい。過去2年間のアコーディアの株価推移を見ると、ピークは2010年の8万円前後。現在は5万円前後であり十分なプレミアムではないか。アコーディア経営陣に対して、私が個人的に経営統合を申し入れた1月26日時点の株価も5万円台だった。

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