「リーダーはやっぱり体力ですね」 新世代リーダー 山口絵理子 マザーハウス社長

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――理想とするリーダー像はありますか?

山崎:山口は僕から見たら完全にリーダーです。戦争に例えると、騎馬隊の大将のような、前近代的なリーダーです。先頭を切り、旗を持って一番前を走っていく。その背中をみんな見ているから「あれが大将だ」とイメージできます。

最近、スティーブ・ジョブズの本を読みましたが、ジョブズのクレイジーなところが山口にとてもよく似ています。僕がいちばんマザーハウスらしいと思うのは、サンプルルームやマネジメントルームに壁がないことです。みんながいつも見ているのは、バングラの工場で朝7時から夜10時まで食事も忘れてずっと立ちっぱなしで物を作っている山口の背中です。

講演会や著書では見えない側面ですが、この人のエッセンスはデザイナーだと思います。山口の中でいちばん強いのは、「新しいものにいかにたどり着けるのか」という想いで、僕たちは山口が新しいものをつくることを楽しみにしています。

山口:私は自分をリーダーだとは思っていません。ただ、女性の従業員も多くなってきている中、この人たちはどうやってお母さんになったり、家庭を持ったりするのだろうと考えます。私がちゃんとその方向性を示さなければならないのだろうと漠然と思っています。

働くことと生きることの境界線をなくせるようなライフスタイル――そうした方向性を示さなければいけないのだろうと漠然と思っています。「ここまでは仕事、ここから先は家族」みたいなやり方では当社はやっていけないし、これからの日本もやっていけないはずです。

――最後に、リーダーとして大切なものは何だと思いますか。

私はこういう仕事をしていて移動が多いこともあって、体力作りにはとっても気をつけています。筋トレも時間があればしているし、ランニングとかも考え事をしながらするとあっという間に1時間くらい走れちゃいます。続けることが大事なのは、気持ちもそうだけれどやっぱり体がついていかないと意味がないからです。

昔、柔道の選手だったからこそ、ここまでやってこれた面もあります。だからスタッフには「筋トレしなよ」というんです。リーダーはやっぱり体力ですね(笑)。

(撮影:山内信也)

松浦 大 東洋経済 記者

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まつうら ひろし / Hiroshi Matsuura

明治大学、同大学院を経て、2009年に入社。記者としてはいろいろ担当して、今はソフトウェアやサイバーセキュリティなどを担当(多分)。編集は『業界地図』がメイン。妻と娘、息子、オウムと暮らす。2020年に育休を約8カ月取った。

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