若い女性がいない!韓国「地方消滅」の実態 全262自治体のうち80自治体が消滅リスク

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30~40年後に消滅するリスクが最も高い慶尚北道義城郡にある市場。日中に訪れる人がほとんどいない

韓国の人口は2020年に5200万でピークを迎えた後、徐々に減少していく。2040年になれば人口全体の中間にいる層の年齢が52.6歳となる。2060年には高齢者の人口が現在の2.7倍になり、生産可能人口は今よりも60%減少する。韓国統計庁が今年3月に発表した「2015年韓国社会指標」の内容だ。さらに気が重くなる統計がある。

「中央日報エコノミスト」が分析した結果、30~40年後に人口が消滅する危険がある地方自治体や基礎自治体(市・郡・区・面)は80カ所に達する。これらは、出産する女性は今後も減り、高齢者の人口は増える所だ。読者の故郷が消えることもある、という話だ。

日本で出版された「地方消滅」の手法を適用

当記事は韓国の経済誌「中央日報エコノミスト」掲載記事の日本語訳です

少し時間をさかのぼってみよう。今年4月13日に実施された総選挙前の3月2日、選挙区の確定案が国会を通過した。従来の選挙区の区割りに変更があったが、前回選挙区が分割された選挙区は16カ所、統合された選挙区は9カ所だった。たとえば韓国南東部・慶尚北道義城(ウィソン)、軍威(グンウィ)、青松(チョンソン)郡は近隣の尚州(サンジュ)市に統合された。同南西部・全羅南道高興(コフン)、寶城(ポソン)郡は長興(チャンフン)・康津(カンジン)郡と一緒になり、慶尚南道宜寧(ウィリョン)、咸安(ハマン)、陜川(ハプチョン)郡は分割され、それぞれ密陽(ミリャン)市・山清(サンチョン)郡と一緒になった。

上記すべてが、選挙区を維持するための人口最少ラインを下回った地域だ。これで終わりではない。これら地域の大部分は30年後には選挙区自体が消えるかもしれない。単純に、人が減るからそうなるのではない。高齢者の人口は増えるが、子どもを産む若い女性が急激に減少しているためだ。いわゆる、「人口消滅危険地域」というわけだ。

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