スマホと一眼レフの間で埋没するコンデジ オリンパスは部門赤字続く

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これまでもスマホの普及による市場縮小が指摘されてきたコンデジだが、ここにきてデジカメ業界全体で数量減に拍車がかかり始めている。ある中堅カメラメーカー幹部は、「今年の6月あたりを境に、コンパクトデジカメの売上が想定以上に落ちている。どのメーカーも状況は同じ」と打ち明ける。

この状況に各社も手をこまぬいているワケではない。ニコンは無線LAN(Wi-Fi)対応を通信機能を持つモデルを9月に投入。また、富士フイルムが11月にファッション性の高いデザインを採用した高級路線の新モデルを発売するなど、各社高価格帯モデルの拡充に余念がない。

しかしながら、主要デジカメメーカーの戦略を見るかぎり、コンデジの不振に対する明確な打開策は見えてこない。デジカメ部門の赤字に苦しむ中堅以下のメーカーはこの状況から脱却できるか。日本メーカーが得意としてきたデジカメも正念場を迎えている。

島 大輔 『会社四季報プロ500』編集長

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しま だいすけ / Daisuke Shima

慶応義塾大学大学院政策メディア研究科修士課程修了。総合電機メーカー、生活実用系出版社に勤務後、2006年に東洋経済新報社に入社。書籍編集部、『週刊東洋経済』編集部、会社四季報オンライン編集部を経て2017年10月から『会社四季報』編集部に所属。2021年4月より『会社四季報プロ500』編集長。

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