太陽光発電を足掛かりに脱請負目指す大林組 目標は100メガワット

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建設事業の長期低迷と競合激化にともなう収益性の低下に悩むゼネコン各社が、新エネルギービジネスに向けて動き始めている。一般的な太陽光発電からメガソーラー、風力発電などの施工はもちろんだが、自ら新エネルギービジネスに踏み出すところも出始めている。なかでもスタートが早かったのが大林組だ。

固定価格買取制度(FIT)が施行された7月1日、同社は100%出資子会社、大林クリーンエナジーを立ち上げた。この日に稼働を開始し、FIT適用第1号となった京都・久御山発電所(0.9メガワット、上写真)を皮切りに、12年度中にも6件が稼働入りする計画だ。

大林組のエネルギー事業は、2011年2月策定の「Obayashi Green Vision 2050」を基点とする。完成したビルのみならず、建設現場での省エネである「ZEC(ゼロエネルギー・コンストラクション)」と、現場以外での創エネルギーを組み合わせて、トータルのエネルギー消費ゼロを目指す。この創エネの手段としてはじめたのが「再生可能エネルギーによる発電事業」だ。

12年6月発表の中期計画にも、14年までに新規事業の売上高を100億円とする目標が掲げられているが、その中核をなすのが新エネルギー事業だ。13年度末までには発電能力100メガワット、売上高40億円のメドを付ける方針。太陽光発電事業の総事業費は300億円を見込んでおり、中計の投資計画総額が1500億円(不動産投資750億円含む)という中で、太陽光発電にかける意気込みがうかがえる。販売先はFITが適用される大手電力会社のみで、一般の電力卸事業者や小売りは対象としない。

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