憲法改正の先行き左右する「日本会議」の正体

彼らの運動はつい最近始まったものではない

憲法改正の動きの裏側にいる彼らの存在を知っていますか?(撮影:今井 康一)
最近、メディアで取り上げられる機会が増えた、日本最大の保守系市民団体。なぜ今、この団体の存在に注目が集まっているのでしょうか? 扶桑社新書から『日本会議の研究』を刊行した著述家・菅野完さんが解説します。

 

熊本・大分の地震がおさまらない。

軽微になりつつあるとはいえ、未だに余震は続いている。余震を恐れる被災者たちは、避難所や車中での困難な生活を強いられている。すでに発生から半月を過ぎたにもかかわらず、復興作業にさえ着手できない。そもそも被害の全容さえまだ判明していない。

そんななか、政府は激甚災害指定を出すことを躊躇した。東日本大震災に対する激甚災害指定が地震発生から中1日で出されたことに比べると、極めて遅い対応だと言わざるをえないだろう。今回の震災では何かにつけ政府の対応の遅れが目立つ。だが1点だけ、政府首脳が極めて迅速に対応した案件がある。――そう憲法改正だ。

憲法改正への意欲

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菅官房長官は4月15日の記者会見で、熊本地震に関し、災害発生時などの非常事態に際し首相に権限を集中させる「緊急事態条項」を憲法改正の上、新設することについて「極めて重く大切な課題だ」と述べた。この発言は記者からの質問に答える形で出されたものだが、なぜかその時、菅官房長官は事前に用意されていた答弁用紙を読み上げていたという。熊本地震の発生は4月14日夜半。その直後に行われた記者会見に、官房長官は「憲法改正」について言及する答弁用紙を用意して臨んだことになる。激甚災害指定があそこまで遅れたことに比べると、なんとも手まわしの良い話だ。

ここまで改憲にこだわる姿勢は、安倍政権の特徴とも言える。当時もあまり話題にならず、またその後に起こった地震で霞んでしまったが、今国会の特徴は、安倍首相から重ねて「憲法改正への意欲」が語られた点にある。3月2日の参院予算委員会で安倍首相は、民主党(当時)・大塚耕平議員の質問に、「(憲法改正は)私の在任中に成し遂げたいと考えている」と明確に述べた。安倍政権は、改憲に本気だ。

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