黒字浮上でも中国・欧州で不安多いマツダ

黒字浮上でも中国・欧州で不安多いマツダ

低コスト車投入で足元の業績が上振れ、上期に黒字回復したマツダ。しかし、欧州・中国など海外要因が厳しく、年度後半は下振れ懸念が高まっている。

マツダは10月31日、上期(2012年4~9月期)決算を発表。営業利益、経常利益、純利益とも黒字を確保した。新型SUV(スポーツ多目的車)の「CX−5」の販売が内外ともに好調で、他車種の落ち込みを補った。CX−5は、エンジンからボディまで設計・生産を見直してコストダウンを進めた「スカイアクティブ技術」を全面的に採用した車種なうえ、販売好調でインセンティブを抑制できたことも寄与した。円高による輸出採算の悪化も吸収した。

マツダでは、下期も引き続きCX−5の販売を拡大させるほか、主力車種Mazda6(日本名アテンザ)の新型車を投入することで販売増を図る計画だ。新型Mazda6もスカイアクティブを全面的に採用した車種となり、原価低減が進む見通しだ。年内に日本、欧州、豪州で販売を開始、年明けには北米に投入する。

新型車効果でリーマンショック以降続いてきた最終赤字からようやく脱する目処が立ちつつあるマツダだが、不安要素は欧州と中国だ。景気低迷・ユーロ安の欧州では上期も新車効果が及ばず減収となり、通期ではCX−5、Mazda6でテコ入れし、会社は前年比横ばいを目論む。「コスト競争力もあるスカイアクティブ搭載車も増やし、これ以上の落ち込みはない」(山内孝社長)というが、欧州景気の行方は予断を許さない。

また、中国は欧州以上に不安要素だ。景気減速の影響もあり、上期の中国での販売台数は9万台と、前年同期から1.7万台減ったうえ、期初の計画比では3.2万台もショートした。そこへ尖閣問題に端を発する中国での日本車不買の動きが追い打ちとなり、下期販売は8万台、通期では17万台と当初計画を8.5万台も下方修正を余儀なくされた。「ディーラー来客数は10~12月期に前年同期比4割減、13年1~3月期は2割減を想定しているが、先行きは不透明」(山内社長)という。

マツダでは今回、中国での計画修正を「営業利益で約100億円のマイナス要因」(山内社長)と織り込んだ。採算の良いスカイアクティブ搭載車の販売比率アップや、鋼板等の原材料費引き下げはあるものの、通期営業利益を50億円下方修正して250億円とした。為替差損の圧縮やタイ持分法会社の利益改善等を見込み、経常利益150億円、純利益100億円の期初見通しは据え置いた。東洋経済では、主に欧州、中国で会社計画が未達になる可能性もあるとみて、弱含みを予想している。

(丸山 尚文 =東洋経済オンライン)

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