第二山手線開業の余波 最後の地下鉄「副都心線」で新宿は巨大化、池袋は縮小危機

第二山手線開業の余波 最後の地下鉄「副都心線」で新宿は巨大化、池袋は縮小危機

首都圏の典型的な通勤路線である東武東上線。沿線では城下町・川越は知られているものの、ほかにこれといった観光資源があるわけではない。だが、ここに有料の特急列車が走ることになった。その名は「TJライナー」。「池袋からお客がゆったりと着席できるうえ、速達性もある列車。東上線飛躍の象徴になる」と東武鉄道は期待する。

平日の夜は池袋から埼玉の森林公園や小川町までを計6本走らせる。通勤路線に特急を走らせるのは、観光客目当てではなく、帰宅するサラリーマンを取り込もうとしているため。夕方以降は特急列車の特徴であるクロスシートだが、朝や日中の時間帯はロングシートに変換して、一般的な通勤車両として使う。東武関係者は「TJライナーは副都心線開業に絡む施策の一つ」と話す。

今年6月に開業する「東京メトロ副都心線」。池袋、新宿、渋谷といった東京の3大ターミナルが1本に結ばれる東京最後の地下鉄である。もともと山手線の混雑緩和のために計画され、「第二山手線」という呼び名もあった。

東京メトロの路線は中央区、港区、千代田区という都心をすべて経由する形でつくられている。「副都心線は都心を通らない初めての路線で、既存路線を相互につなぐ役割を担っているのが特徴」と野村総合研究所の高田伸朗氏は話す。


 副都心線に乗り入れるのが、東武東上線と西武有楽町線・池袋線。2012年度には東急東横線との直通運転も始まる。副都心線自体はわずか8・9キロメートルの路線だが、相互乗り入れが完了すると、埼玉の南西部から東京の大商業地を縦断して、横浜の先までを結ぶ、首都圏の大動脈が動き出すことになる。

ただ、乗り入れを行う私鉄に心配事がないわけではない。

たとえば東武東上線。副都心線が開業すると、東上線の利用者は新宿や渋谷に乗り換えなしで行けることになる。通勤や買い物などでは飛躍的に便利になるため、東上線の沿線価値は大きく高まりそうだ。東上線乗客数の伸び悩みに直面していた東武にとって、副都心線乗り入れはまたとないチャンスであるはずだ。

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