上期大赤字の関西電力は料金値上げ方針表明

上期大赤字の関西電力は料金値上げ方針表明

関西電力が電気料金値上げについて「検討を始めた」と正式表明した。家庭向け、企業向けとも同時の値上げとする方針。規制分野である家庭向けでは国の認可が必要であり、申請に向けた手続きに入る。

10月29日の定例会見で、八木誠社長は「大飯発電所3、4号機に続く再稼働ができない状況が今後も続くと、財務体質が大幅に悪化し、電気の安定供給に支障をきたしかねない」などと、値上げ検討の必要性を訴えた。

関電の12年4~9月期(今上半期)の営業損失は1554億円、純損失は1167億円と、それぞれ過去最大規模の赤字に膨らんだ。

原発の稼働が大飯原発3、4号機だけにとどまり、上期の原発稼働率は前年同期の58.1%から、10.5%へと急落。火力発電の代替稼働で燃料費が前期比で1681億円増加、また他の電力会社などからの購入電力料も同1062億円のコストアップとして響いた。

関電の火力発電には、発電コストの高い石油火力が比較的多い。またLNG火力発電でも、効率のよい「コンバインドサイクル」方式は堺港と姫路第一のみ。原油、LNG価格の高止まりも、収益悪化の重しとしてのしかかる。

第2四半期の7~9月の3カ月だけをみると、営業損失は第1四半期(4~6月)の1405億円から149億円まで急改善した。大飯3、4号機再稼働の効果が大きいが、それでも9月20日に公表した業績見通しよりも赤字幅は145億円縮小している。

ただ、関電は、この差を「販売電力量が想定より上振れて、収入が増えたのが主因」と説明している。そのとおりだとすると、効率化策などで基調が改善に向かいつつあるとは、まだ判断がつきかねる状況にある。

また、上半期の純損失が1167億円に抑えられたのは、将来の税負担軽減を見込んで繰延税金資産を計上しているため。上期末時点で繰延税金資産の残高は4305億円(単体ベース)まで積み上がっているが、四半期ごとの監査法人との協議では、「長期的な視点に立って回収可能性の議論をしている」という。

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