中国重視のホンダに忍び寄る尖閣問題の影

中国リスクを検証

中国重視のホンダに忍び寄る尖閣問題の影

尖閣諸島をめぐる中国の反日運動が、日本の自動車大手に打撃を与えている。

ホンダは10月29日、今2013年3月期の売上高が9.8兆円(前期比23%増)、営業利益は5200億円(同2.2倍)になる見通しだと発表した。東日本大震災やタイの洪水といった自然災害に苦しめられた前期から大幅に回復するものの、従来の想定から売上高は5000億円、営業利益は1000億円引き下げた。

異変の主因が、9月半ば以降に鮮明化した、尖閣問題をきっかけとする中国での四輪車販売の急ブレーキだ。中国事業で、営業利益200億円分の下方修正要因という。中国では当初前期比約2割増となる75万台の販売を計画していたが、今回、62万台に下方修正した。この販売減が、現地生産向け部品の販売や対中輸出分の減少など営業利益に響く。

「10月の国慶節連休明けから販売店への客足は戻ってきており日本車ニーズはあるが、周囲の目を気にして買いづらい雰囲気がある」。現地の市場動向について岩村哲夫副社長(=写真=)は、こう明かした。今後の予測は立てづらいとしながらも、「来年2月の春節(旧正月)商戦までは影響が残ると想定した」(岩村氏)。

在庫の積み上がりを防ぐため、生産は、現在2交代を1交代として稼働率を半減させて対応している。春節商戦向けに増産に入る11月半ばから後半までは、この低稼働が続く見通しだ。

ホンダは今年4月、中国での販売を2015年までの3年間で、年間120万台超に引き上げる事業計画を打ち出したところ。出ばなをくじかれた格好となってはいるが、「中国は世界最大の自動車市場であり、成長が続く。今の計画は継続する」(岩村氏)と、引き続き中国重視の姿勢は崩さなかった。

 

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