出口見えない欧州危機

スイスの辣腕バンカーが語る

スイス・ジュネーブに本拠を置き、200年以上の歴史を持つプライベート・バンカーズ「ロンバー・オディエ」のマネージング・パートナー、アン・マリー・デ・ヴェック氏(=写真=)がこのほど、東洋経済のインタビューに応じた。

プライベートバンクとは、主に富裕層向けの資産管理や法律や制度に対する助言、信託・遺言などの金融サービスを展開するの金融機関である。

進行中の欧州債務危機の先行きについて、デ・ヴェック氏は「非常にペシミスティックにみている。危機がスタートして5年が経つのに出口は見えない」と述べ、問題の解決には長期間かかるとの見通しを示した。

デ・ヴェック氏は現在8人しかいない同社のマネージング・パートナーの一人で、唯一の女性。同氏によると、スイスのプライベート・バンカーズの中で、女性のバンカーは非常に珍しいという。氏は、ジュネーブ大学法学部卒業後、1984年まで弁護士として活躍後、KPMG-Fidesグループに入社。KPMGスイス支社のパートナー兼取締役会副会長を務めた。97年にロンバー・オディエに入社し、2002年からマネージング・パートナーを務めている。

デ・ヴェック氏とのやり取りは以下の通り。

--欧州危機についての見通しは?

われわれは非常にペシミスティックにみている。危機がスタートしたのは5年前なのに、債務やソルベンシー問題は悪化の一途をたどっている。財政赤字や公的債務を減らすことはできておらず、出口が見えない。われわれは今までこれほど巨額の債務を抱えたことはない。

では、何ができるのか。一つは成長を促すことだが、欧州には成長を促すファイナンスの手段がない。第二の手段は通常の対策、すなわち歳出カットや増税だ。しかし、この手段はあまり強くやり過ぎると、医者が患者を殺してしまうような状況で、ギリシャがまさにそういう状況だ。三つめの対策が金融的な支援で、各国の紙幣増刷は過去最大規模になっている。結局、唯一のソリューションは、人々が一堂に会して、債務のリストラクチャリングを行うことが必要だ。しかし、政府は国民の反応を恐れて何もしない状況が続いている。 

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