日本、買います 

平野秀樹著

日本、買います 平野秀樹著

日本の山林が外国人に買いあさられていると言われ始めて久しい。だが話は山林だけでは済まなくなっている。沖縄・対馬・五島列島など島嶼(とうしょ)部から北海道や本州でも農地や軍用地近くまで触手は伸びているらしい。合法的に買われた土地はほとんど登記されず、転売も多いために権利関係は闇の中にある。そしてこうした土地は半永久的に課税対象から消えてしまう。

意外にもこの国では法制上も行政上も土地は極めて粗雑に扱われている。地籍(土地の正確な位置や面積、所有関係の記録)があるのは東京で2割、日本全国では5割しかない。しかも私有権が圧倒的に強いために、所有者が何をしようと制限することが難しい。買い戻しも事実上、不可能である。外国人にとって日本の土地はあらゆる意味で魅力的なのだ。尖閣以上に危うい国土の実態を強い危機感と抑制された筆致によって語っている。こんなことで日本の安全は守られるのかと考えさせられる。(純)

新潮社 1470円

  

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