新TOEIC直前!やるべき「たった2つ」のこと 「空回りリスク」が高まるこの時期

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さて!ではここで問題です。先ほど出てきた単語、「Standardize」とはどういう意味でしょうか?

――そう、「適切に調整する」といった意味でしたね。全体のパフォーマンスが低ければ、自分の誤答がいつもよりも多めでも、全体レベルで調整さる(標準化される)ということですよね。

Standardize という単語をこれで覚えました。今後この単語が出てきてもイメージが浮かびますね? Very good です。このように、話の流れで何回か出てきた単語というのは頭に入りやすいのです。単純暗記ではなく、理解のルートから頭に入ります。時間がない中で、ストーリーを追うやり方は遠回りに感じられるかもしれませんが、これが最も効率的な「急がば回れ」の方法です。焦らず、この方法が最良だと信じて、しっかり取り組んでみてください。

新形式の問題を解こう

『Storyで覚える! TOEICテスト エッセンシャル英単語』(山内勇樹著、かんき出版)。上の画像をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

基本的には、単語だけやっていればOKなのですが、余裕がある人は問題を解くことができればなおよいでしょう。特に、この度テスト形式が変わりますので、それに「慣れる」という観点からも、新形式を取り入れた最新の問題を解いておくことが望ましいです。もちろん、単語力のアップが先にあることは大前提ですが、テストに慣れるために問題を解くことは、特にテスト日が近いタイミングでは重要度が高いといえます。

この「問題を解く」うえで、テスト形式の変更にあたり、ぜひ気をつけていただきたい部分があります。それは、「木を見る」やり方から、「森を見る」やり方に変える、ということです。

これまでは、部分的に、空欄の周りだけ見ていれば正解がわかる問題も多くありました。リスニングでも、Part 3の設問3つ目は最後のスピーチに鍵があるからそこだけ集中、という“部分的にヤマを張る”やり方が結構通用するテストでしたが、以前の記事でも触れたように、新形式になってからは大きく変わりました。リスニングでは、挿入された表や図と照らし合わせながら聞いていく、といった全体理解が求められるようになったので、部分的にヤマを張るテクニックでは、対応しにくくなるのです。

ですから、「問題を解く」時に、これまで部分理解で要領よく、技術的に解く方法で進めてきていた場合は、解き方自体、テストへのアプローチ自体を再考しなければいけません。木ではなく森を見る解き方、これを意識すれば、残されたTOEICテストまでの期間で、スコアを伸ばしていくことができるでしょう。

最後まであきらめないあなたに幸運は訪れます。これまでの学習の成果を存分に発揮されますよう。健闘をお祈りしています!

(構成:山岸美夕紀)

山内 勇樹 Sapiens Sapiens代表取締役・最高責任講師

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やまうち ゆうき

1980年、長崎県生まれ広島育ち。UCLA(カルフォルニア大学ロサンゼルス校)卒。
高校時代はバスケットボール部に所属し、全国大会出場経験を持つ。卒業後はバスケットボールを続けるために単身渡米。帰国後、英語を独学で身に着けた経験を活かし、語学教育・留学サポートを行う株式会社Sapiens Sapiensを設立する。
設立後は、人材教育・育成のための英語学習Eラーニングシステム「Buffet」などを開発。10年で1万人の受講生を指導してきた。また、MBA/EMBA派遣留学サポートも行い、グローバルリーダーの育成も手掛けている。独自のTOEIC指導法には定評があり、多くの受講生のスコアを3か月の指導で大幅にアップさせている。
TOEICテスト 990点満点。TOEICテスト SW(Speaking & Writing) 400点満点(日本で1位 (タイ))。

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