縮むボウリングを撤退、増益続けるコシダカ

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縮むボウリングを撤退、増益続けるコシダカ

カラオケ「まねきねこ」の直営展開と女性専用フィットネス「カーブス」のFC展開を主力とする、コシダカホールディングスの今2013年8月期は、07年6月のジャスダック上場以来となる連続増収増益記録を更新しそうだ。カラオケとフィットネスの順調が続くことに加え、成長の見えなくなってきていたボウリングを切り離すことが寄与する。

コシダカは10月10日付で、ボウリング事業を手掛ける子会社スポルトの全株式をヴィーナス・ファンドに譲渡し同事業から撤退した。同社は10年9月、三井物産からスポルトの株式を譲受してボウリング事業に参入。しかし、この間出店した4店舗の立ち上げが期待どおりにいかず、同社がカラオケやフィットネスで進めてきた多店舗展開は困難と判断。ボウリング事業の部門業績は、11年8月期が1億6300万円の営業赤字、12年8月期も800万円の営業赤字を計上していた。

レジャー産業の中でもボウリングは市場の縮み方が厳しい状況にある。日本生産性本部のレジャー白書によれば、直近(データがあるのは2010年)のボウリング市場規模は8年連続ダウンの820億円。最近のピークである1993年の2040億円から2.5分の1に縮んでしまった。

業界最大手・ラウンドワン(東証1部・大証1部上場)のボウリング事業の数字を見ても、前12年3月期の既存店売上高は東日本大震災直後の屋内レジャー需要の高まりから4年ぶりに上向いたものの、今13年3月期に入ってからは、12年4月以降6カ月連続で既存店月次売上高の前年同期比マイナスが続いている。

まして、ボウリング事業のみの年商規模ではラウンドワンの1割前後に過ぎないコシダカが、同事業で短期に存在感を打ち出すのは難しかったようだ。

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