武器としてのコミュニケーション 高城幸司の会社の歩き方

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すばらしい話です。あるいは、
「とにかく、君に仕事は任せた」
と、細かい報告はしなくていい・・・・・・という上司もいます。結果さえ出ればいいというマネジメントスタイルなのでしょう。

私の周りにもいました。仕事は結果がすべてだから、そこまでのプロセスにいちいち口を挟まないおおらかな上司。部下にとっては細かい指摘を受けずに済むので、できるビジネスパーソンにしてみれば楽でやりやすい存在でしょう。

ただ、それは「いい仕事」をするために事前にしっかりとしたコミュニケーションを繰り返してきた賜物なのです。仕事上のコミュニケーションを取らずに仕事をしている上司と部下がいるとしたら、それでいい仕事をするというのは間違いなく不可能です。信頼して任せたはずの上司も、結果が出てないと

「もっと詳しく説明しなさい」
「あの仕事はどうなったか詳しく聞かせてもらえるか?」

などと、結局は細かいコミュニケーションを求めます。上司が部下とコミュニケーションをしなくて仕事がうまくいくことなんて基本的にはないのです。

少し脱線しますが、プロ野球で併殺を取る二遊間(セカンドとショートの間)の華麗なプレーを見たことがありますか? 日本であれば中日の荒木雅博選手と井端弘和選手が目もあわせず、ヒットになりそうな打球をダイビングでキャッチ。そこからバックトスでボールを送球してピンチをしのぐ。すると球場では割れんばかりの拍手。守備だけで十分にみる価値があると言われる両選手(アライバなんて呼ばれている2人)のプレーを楽しみに観戦に来たファンも数多くいると言われます。

そんな華麗なプレーは、まさにあうんの関係で行われています。ところが華麗なプレーをするための事前の練習では、緻密な打ち合わせ=コミュニケーションが前提にあります。

 

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