あなたは大丈夫? 知らないと大変 2008年の新制度(下)

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【株主総会】 「株券発行」の定款廃止に 総会検査役の選任急増

会社法対応で苦心した2007年株主総会。それに比べると今年の株主総会は、法改正による影響は少ない。ただし、株券電子化への対応を迫られる会社もある。

09年1月、株券電子化がスタートする。株券不発行を前提とした新制度に変わるので、「株券を発行する」という定款がある会社は、廃止しなければならない。ただ、みなし定款変更の制度により、特別な手続きを取らなくても、自動的に定款が変更されたと見なすことができる。

ところが株券電子化は、端株には対応していないため、端株制度が残っている会社は対応が必要になる。端株とは、単元株制度がなく売買単位が1株の会社の1株未満の株式のこと。株式分割などにより生じた0・1株や0・05株などだ。今年の総会で必要な定款変更を行い、端株制度を廃止するとともに、端株買い取りなどを促進する必要がある。

株主が総会の議案を提出する株主提案。今年も増えるのだろうか。商事法務の調べによれば、昨年6月の総会までの1年間に行使された株主提案は32社34件。その前の1年間の18社19件から大幅に増加している。

増えたのは投資ファンドからの提案が大量に行われたからだ。江崎グリコなど6社に提案したスティール・パートナーズ、小野薬品工業に提案したブランデス・インベストメント、シンニッタンに提案したセーフ・ハーバーなどだ。その多くが配当の増額を求めていた。いずれも提案は通らなかったが、昨年の議論を通じて、今年、また新たな論理で増配を要求してくる可能性がある。今年の株主総会は、より実質的な内容で荒れることになりそうだ。

「総会検査役を選任する例が増えてくるのではないか」と見るのが、堀内勇世・大和総研制度調査部次長。総会検査役は、裁判所に選任されて株主総会の手続きを調査し、裁判所に報告する人。総会が不正な手続きで行われないよう、防止する制度だ。昨年はブルドックソース、東京放送、ドトールコーヒーなどが選任していた。今年、配当や取締役の選任などで紛糾が予想される会社は、検査役を選任する動きが強まるだろう。

【独占禁止法】 課徴金制度を拡充 不当表示も対象に

独占禁止法の改正案を国会に提出することが、3月11日の閣議で決定された。ポイントは課徴金制度の強化だ。

不当表示も課徴金の対象に含まれた。テレビCMで、「通話料、メール代、0円」と打ったソフトバンクモバイル、「すべてのヒトに最大半額を」と打ったKDDI、「ファミ割ワイド、月々1575円」と打ったNTTドコモ。これらに対して公正取引委員会は、2006年に不当表示のおそれがあるとして警告を発した。当時はまだ不当表示は課徴金制度の対象となっていなかったが、今後は対象となる。しかも課徴金の額は違反行為の対象商品の売上額の3%。これら携帯電話会社が今後も同様のことを行ったら、膨大な額の課徴金が科される懸念がある。 

また、カルテルや入札談合で主導的な役割を果たした事業者に対する課徴金は、従来の1・5倍に引き上げられた。大企業の製造業の場合、課徴金は当該売上高の15%になる。課徴金を科す除斥期間(時効)も3年から5年に延長された。

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