震災で人命を救うスマホとSNSの巨大潜在力 災害に勝つために「スマホ力」を鍛えておこう

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1万キロも離れた地で、息子さんはとっさにツイッターに飛びつき、冒頭のメッセージを投稿します。書き込み時刻のズレは日本とイギリスの時差だったのです。

こんな内容ですから、心配した人達によってこの投稿はどんどん拡散していきました。そして、ある人の目に留まったのです。

当時、東京都の副知事として震災対応中だった猪瀬直樹氏。自分宛に転送されたツイッターに気が付いた猪瀬氏は、消防庁の担当者と内容を精査、救助に向かう決断をします。

救援ヘリが、現地からの要請なしで飛び出すのはかなり異例のことです。また当時、ネット上にはウソの救助要請やデマが拡散し始めていました。

ですがこのツイッターには信憑性が感じられ、公民館の位置も確認できたため、救助に向かう決断ができたのです。

446人が避難をしていた!

日の出にあわせ、現地に到着したヘリコプターから、レスキュー隊員が公民館に降り立ちます。そこで目にしたのは、事前に情報を得ていた「施設の園長と子供たち十数名」が避難している状況ではありませんでした。

妊婦や乳幼児を含む「446人」が、その公民館にすし詰め状態となって避難していたのです。その後、全員が2日間かけて無事救助されました。

「446人」が救助された

SNSの定義は、

・人と人とを結びつける機能がある
・その結び付きを強める機能がある

 

この2つだけ。この要素を満たすものがSNSと呼ばれます。気仙沼の救出劇はまさにSNSそのもの。人と人とを結び付け、ヘリを飛ばし、446人の命を救ったのです。

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