被災地・女川の水産業をカタールが再建支援

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「カタールと日本は貿易、文化、教育などあらゆる分野で関係があり、その関係を大変重要視している」(ハリッド・ビン・モハメド・アルアティーヤ・カタール外務担当国務大臣)。

カタール フレンド基金は女川町の冷凍冷蔵庫の再建に20億円を出資。「もし自前でやっていたら、資金も不足し、工期も延びていた」(�橋理事長)。震災後に女川を去った水産業従事者が戻りつつあるといい、「マスカー」を核として「一度魚をやめた人が、一緒に立ち上がることができたというのが一番うれしい」(同)。「衛生管理で優れた先端的な設備を共有化すれば、付加価値も生まれる」(女川町の須田善明町長)。今後は、周辺の水産加工団地の整備が課題となる。


「マスカー」の鍵を受け取る女川魚市場買受人協同組合・高橋孝信理事長

「マスカー」の貯蔵能力は6000トン。震災前の水準の約10分の1だが、「これから再建されていく我が町の水産加工場や、同様に被災を余儀なくされた水産加工場のモデルとなる」(須田町長)。


冷蔵室の内観。2階部分の冷蔵室は約6000トンの貯蔵能力を誇る

今週末の20日には東京・日比谷公園で「おながわ秋刀魚収穫祭」が開かれる。「『絆』と言いつつ、被災地との関係が薄れてきている。サンマを食べて終わりではなく、被災地に対する支援にもう一度目を向けてもらう機会にしたい」(おながわ秋刀魚収穫祭・実行委員長の鈴木靜雄氏)。


地元の子どもたちにカタールから記念品が渡された

(タイトル横写真は式典でスピーチするアブドゥラ・ビン・ハマド・アルアティーヤ・カタール国行政監督庁長官)

(平松 さわみ =東洋経済オンライン)

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