福島原発事故での不作為認めた東電

福島原発事故での不作為認めた東電

東京電力は10月12日、外部有識者などでつくる「原子力改革監視委員会」の初会合に提出した報告書の中で、福島第一原子力発電所の事故について、従来よりも踏み込んで自らの責任を認めた。

今年6月に公表した東電の事故調査報告書では、「津波想定については結果的に甘さがあった」と認めたものの、「最新知見を踏まえて対策を施す努力をしてきた」「まさに知見を超えた巨大地震・巨大津波であった」として、企業努力の範囲を超えた「想定外」の事故原因だったという弁明に終始していた。

しかし今回、東電の「原子力改革特別タスクフォース」がまとめた報告書「原子力改革の進め方」では、福島事故は事前の津波評価の時に「対処は可能だった」と自らの不作為を認めた。

そして、事前の津波評価では、「外国の過酷事故対策を参考にして安全設備の多様化を図れた」が、「土木学会の評価手法に過度に依存」したためリスク評価が甘くなったと分析。その背後要因として、「津波リスクの検討を公表すると、直ちに運転停止につながると恐れた」などを挙げた。

また、「過酷事故対策が不足した背後要因」として、「過酷事故対策の必要性を認めると、訴訟上のリスクとなると懸念した」「過酷事故対策を採ることが、立地地域や国民の不安を掻き立てて、反対運動が勢いづくことを心配した」「過酷事故対策を実施するまでの間、プラント停止しなければならなくなるとの潜在的な恐れがあった」などを挙げ、訴訟や反対運動、プラント停止のリスクを恐れて安全対策を怠ったという内部分析を示している。

 

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