日本株は買いサイン「二番底」完成にあと一歩 3月14日高値の1万7291円を上回るかが焦点

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実は、15日の高値は意味があるフシなのです。1月21日安値から2月1日高値に向けて上昇する過程での中心となった水準(1万6961円)、3月のモミ合い相場で上げ下げの中心になった水準(1万6893円)に近いのです。筆者が思うところでは、そのフシの元になっているのは昨年9月に付けた安値1万6901円の水準です。昨年9月安値に今の相場は影響を受けている可能性が高いのです。

そういう言い方をすると、いかにも神秘的に聞こえますが、強気と弱気のボーダーラインとしての水準になっていて、そこを超えないと強気ゾーンには入れないということだと思います。ですから、18日は調整が入りましたが、いったん押し戻されて当然の壁ということになります。この先、8日安値1万5471円を下回らず、再上値トライで15日の高値1万6928円を上回れば強気転換、3月14高値1万7291円を上回ると、「二番底」が完成します。そうなると、1万8300円~1万8900円は堅いでしょう。

二番底の完成は上昇相場の土台になる

現時点では、「二番底」は確認できていませんので、下振れリスクは十分に残っています。ただ、「二番底」には特徴があり、その特徴が少し現れてきました。それが8日安値からの反発局面で出現した「マド」です。
株式相場に限ったことではないのですが、相場のトレンドが反転する際、反転の前兆となる底固めという動きがほとんどのケースでみられます。代表的なものに「二番底」という底固めのパターンがあります。「ダブルボトム」ともいいます。

「二番底」を大まかに説明しますと、下落相場が続くと売られ過ぎで反発する場面が必ずあります。少し反発したところで戻り高値を付け、そこから再び下げることがよくあります。再び安値を更新すると単なる下落相場の続きなのですが、「二番底」というのは直前の最安値を下回らずに反転し、戻り高値を上抜いていくパターンです。安値を切り上げ、戻り高値を上回ると、高値と安値を切り上げる上昇相場に切り替わったことが確認でき、買いサインと判断できます。「二番底」は上昇相場に入る前の土台作りといったイメージでしょうか。

「二番底」からの特徴は、長い陽線(始値よりも終値の方が高い、白抜きのローソク足)とか、陽線が短くても数日間連続するとか、「マド」をともないながら上昇することが多いのです。指値買いが追いつかないほど、力強く上昇するケースが多い。先週は14日までの3日間で1100円上昇し、まさに「マド」をともなうものでありました。「二番底」になりうる確度の高い動きがみられたこと、これはチャート分析を専門とする筆者にとっては、かなり興奮する出来事だったのです。

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