スマホで激変!? ゲーム大バトル 専用機の市場が侵食

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 誰でも気軽にプレーできるF2Pの仕組みは、スマホとの融合でさらなる進化を遂げた。すき間時間で気軽に遊べるソーシャルゲームを各社が相次ぎ投入したことで、市場規模は2008年の49億円から、今年は3429億円に膨らむと見込まれる(右上図、矢野経済研究所調べ)。

「コンプガチャ問題」があっても、業界内では「今年中に4000億~5000億円に届く。近い将来、国内だけで1兆円まで行くだろう」と強気な見方もあるほどだ。

グリーの田中良和社長は同じくゲームショウの基調講演で、「スマホは性能面で(14年に)ゲーム専用機を追い抜く可能性がある。LTE(超高速通信)の登場によって通信インフラが進化し、これまでの回線速度で実現できなかった高度なゲームも提供できる」と熱弁を振るった。そして「ソーシャルゲームは海賊版が流通するおそれがないため、新興国での開拓余地が大きい」と、一部の“成長限界説”を一蹴した。

スマホに侵食されるゲーム専用機の対抗策

業界としては、ゲーム専用機市場が停滞する中で、ソーシャルゲームという新ジャンルが加わったことは福音だ。既存のパッケージソフトのオンライン化を含め、着実な成長が見込まれている(右下図)。

しかし家庭用ゲーム機のメーカーにとっては、スマホやタブレットの普及は逆風。「今のところソーシャルゲームと家庭用ゲームのユーザー重複は限定的。だが今後は、専用機との垣根のない競争が始まる」(エンターブレインの浜村弘一社長)とみられているためだ。

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