韓国総選挙、与党の「衝撃的惨敗」が映すもの 従来の各政党の支持基盤が崩壊した

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国民の党は全羅道を席巻したことで「正当性のある野党の継承」という地位を獲得、また支持率アップで38議席獲得という実績もって、3党体制の国会においてキャスティングボードを握ることになった。同時に、全羅道以外に議席を獲得したところがほとんどなく、同党の限界も露呈した。

従来の各政党の支持基盤が崩壊

今回の選挙で、各政党の伝統的票田が崩れ、地域的な政治構造が相当部分喪失したことがわかった。セヌリ党にとっては、常に劣勢だった全羅道で2人が予想を覆し当選。共に民主党もセヌリ党の票田だった大邱(テグ)市で1人、釜山(プサン)市で5人、慶尚南道で3人など、慶尚道で9人の当選者を出した。

セヌリ党の中央選挙対策委員会のアン・ヒョンファン報道官は「総選挙の結果を堅強に受け入れる。国民からの多大なる失望と失跡を受けたのに、その心をきちんと読み取れなかった」と述べた。

かつて朴槿恵政権の経済ブレーンだった金鍾仁代表。想定外の大勝利を得た

共に民主党の金鍾仁・非常対策委員会代表は「首都圏での選挙結果を見ると、セヌリ党政権の経済失策がどれだけ根深いものだったかを国民が投票で審判した。来年2017年12月の大統領選挙に向けて、経済民主化と国民に優しい経済成長への道筋をはっきりと示し、現在の経済状況を克服するために最善の努力を傾ける」と強調した。

国民の党のイ・サンドン共同選挙対策委員長は「選挙結果は朴槿恵政権に対する民心の審判。憂慮していた野党分裂による野党の敗北は生じず、かえって2012年総選挙・大統領選挙でセヌリ党と朴槿恵大統領を支持していた合理的保守の有権者が相当部分離脱してわれわれを支持してくれた」と評価した。

中央選挙管理委員会の発表では、今回の投票率は58.0%、前回2012年の総選挙の54.2%から3.8%上昇した。地域別に見ると、全羅南道・北道がそれぞれ63.7%、62.9%と最も高く、大邱市の54.8%が最も低かった。

ソウル新聞オンラインニュース部
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