韓国で感じた日本と韓国の違い 共通して食洗機普及率が低い両国だが…

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韓国で驚いたことの一つは、一般的な家には食器洗い機がない、ということだ。食器洗い機は、家庭の主婦が時間を節約するのにとても役立つ。韓国の家庭は、多種多様な電子機器にカネを使っているのに、食器洗い機は普及していない。

この食洗機の普及率の低さと出生率の低さ(韓国では、女性1人が生む子供の平均数は1・21。日本では1・39。人口を維持するには2・1が必要)との間には、関連性があるのではないだろうか。

家事を助ける機器の利用が進むほど、女性が家事労働から解放され、労働力に参入するようになることは、多くの研究が示している。教育を受けた若い女性の多くは、仕事と子育ての両方を望んでいる。このような女性たちが仕事と子育てを両立させるのに役立つ家電と育児政策は、スウェーデンなどいくつかの国々で、出生率の向上を後押ししてきた。

韓国の農村で起きていること

今回の取材で私が興味を持ったテーマは、「なぜ韓国は、米国やEUなど、農産物の輸出国でもある大口の輸出相手国との間で自由貿易協定(FTA)を結べたのか」ということだ。日本が今のところ、同様の協定を締結するに至っていないのとは対照的である。

理由の一つとして、韓国では、大統領の下で一つの省(外交通商部)が交渉を担当していることが挙げられる。外交通商部の朴泰鎬本部長と面会した際、彼は、「日本では省庁間の縦割りが協定の締結を困難にしている」と語っていた。朴氏はまた、中国との2国間のFTAが日中韓の3国間協定よりも早期に実現する可能性を示唆した。これは、竹島をめぐる緊張が高まる以前の話だ。

 

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