福岡人が「どんどん機嫌を損ねる」驚きNG表現 安易な「福岡好き」アピールは逆効果にも
このほか、支店長クラスなどエグゼクティブ層は「博多祝い唄(祝いめでた)」のサビは歌えた方がいい、焼酎のお湯割りはお湯を先に注ぐ、博多祇園山笠の期間中祭り関係者はキュウリを食べない――などさまざまなマナーがある。
飲み会は長く、閉会も遅い。東京に比べ家賃が安く、職場の近くに住めることが背景にあるとみられるが、「会議ではなく、酒席でだいたいのことが決まる」(中堅サラリーマン)との証言もあり、あなどれない。
「飛び込み営業でも、責任者が会ってくれる」
面倒に思われることだろう。しかし、「福岡だから事業ができた」と語る札幌出身者もいる。福澤俊幸さん(59)だ。16年前、福岡市で人材研修会社をつくった。
「飛び込み営業でも、責任者が会ってくれる」。来るもの拒まずの市民性が「起業の支えになった」と振り返る。
タブーも逆手に取れば、ビジネスチャンスだ。
福澤さんは「福岡で成功するには、福岡を本当に好きになること。福岡のことをいっぱい褒めること」とアドバイスする。
ただ、ご注意を。福博講座の斉藤さんは言う。
食べ物がおいしい、人が優しい……と”マニュアル”みたいに心がこもっていない「福岡好き」を連呼すると、すぐに見抜かれるという。
「福岡好きを商売の『手段』に使うと、逆効果になりかねない」のだ。
(記者:吉武和彦)