「英語が仕事に不可欠」という職場は多くない 自分にとって必要なレベルを見極めよう

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繰り返しですが、自分自身に業務上のコンテンツがないまま、英語力だけつけてもまったく意味がありません。先ほどの英語力があってもプラスにならないケースというのはまさにこのことです。

反対に英語力があってプラスになるケースというのはコンテンツがあるケースです。この場合は片言であっても相手は聞こうとしますし、本当に重要な場合は通訳をつけてでも聞こうとするでしょう。それこそ英語屋さんに活躍してもらえば良いのです。

英語は社会人の必須科目ではない

余談ですが、英語力があったとしても海外との交渉上わざと英語をしゃべらず通訳を介するなんてのは日常茶飯事です。ひとつでも相手の得意領域で勝負しないという事ですね。国境をまたぐM&Aの世界ではよくあります。

このように英語を活用するシーンと自分が活用しうるコンテンツのバランスを考えながら、英語学習の優先順位を考えると良いでしょう。そしてその際には、活用頻度や内容を考え、レベル感を調整すれば良いのです。

英語というと、どうしても社会人の必須科目のように思いがちですが、本当の必須科目は自分の業務に関連する事柄であり、やるべきことは人それぞれ異なるという事になります。

ましてや英語力があれば何かが開けるのではなく、コンテンツがある事のほうが重要なわけです。コンテンツのない英語屋さんとコンテンツのある片言英語マンだと断然後者に価値があるわけです。

南波さんが、そのあたりのバランスを見極め、ご自身の中における英語の優先順位を見極められることを応援しております。

安井 元康 『非学歴エリート』著者

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やすい もとやす / Motoyasu Yasui

MCJ社長兼最高執行責任者(COO)。アニメーションの企画・制作を手掛けるベンチャー企業を経て、MCJにて東証への上場を経験。その後、経営共創基盤にて戦略コンサルタントして9年間活躍し、2016年3月にMCJに復帰。著書に学歴コンプレックスに悩みながらも独自の方法でキャリアを切り開いてきた様子を描いた『非学歴エリート』(飛鳥新社)や、自分ならではの人生を生きる術を描いた『極端のすすめ』(草思社)等がある。

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