グーグルの「AMP」導入をめぐる4つの疑問点 果たしてそれで儲かるのか?

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3 ビデオ

動画の消費と広告料が増加しているため、パブリッシャーにとって動画はとても重要な要素となってきた。そのため、いくつかのパブリッシャーはAMPの動画コンテンツや広告配信の性能がどれほどのものか不安を抱いている。AMPには基本的な動画プレーヤーは備わっているが、この動画プレーヤーで広告主たちが欲しがるデータをすべて計測できるかは不明だ。

「パブリッシャーにとって、動画広告の巻き戻し機能と、データ計測機能はとても重要なことだ」と、大手パブリッシャーの動画部門の役員は話す。「(AMPの)コードを書き換えることもできるが、かなりの労力だ」。コードの書き換えで、AMPの意義である速度を殺してしまう可能性もあることは言うまでもない。

動画広告の巻き戻し機能とデータ計測機能は、グーグルが事前承認したYouTubeの動画プレーヤーを使用することで利用できる。しかし、パブリッシャーや、すでに別の動画プレーヤーを使用していて複数の動画プレーヤーを導入したくない企業などにとって、レベニューシェアが煩わしいようだ。

コスト面では評判がいい

4 コスト

人材的な観点からすると、AMPは素晴らしい。パブリッシャーから得たアンケートによると、多くはグーグルのAMPを導入する上で新たなスタッフの雇用はせず、既存のスタッフで対応したという結果を得た。

これはAMPが企業内のほとんどすべての部署に関わるからだ。開発、広告販売、商品、モバイルニュースから分析などの部門まで、多くの部署が関わるため、導入してしまえば既存のスタッフで十分対応可能だとパブリッシャーが判断したのだ。

業務内容が増えてしまったパブリッシャーのスタッフたちだが、AMPが収益化につながるかは以前不明なままだ。

Lucia Moses(原文 / 訳:BIG ROMAN)

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DIGIDAY[日本版]編集部

2015年9月1日にローンチした「DIGIDAY[日本版]」を運営。同サイトでは米「DIGIDAY」が日々配信する最新のデジタルマーケティング情報をいち早く翻訳して掲載するほか、日本国内の動向についてもオリジナル記事を配信している。メディアジーンが運営

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