園芸・ペット・LED照明 今、復興フロントランナー--大山健太郎 アイリスオーヤマ社長《上》

園芸・ペット・LED照明 今、復興フロントランナー--大山健太郎 アイリスオーヤマ社長《上》

救援か、工場復旧か。大山健太郎は迷い煩悶していた。

あの日、千葉市の幕張メッセにいた。強烈な横揺れに、震源地は宮城沖だ、と直感したという。

すぐ成田空港を目指した。車のテレビで仙台空港が津波に襲われたことを知ると、そのまま陸路を北上。一昼夜、福島・白河で足止めされ、アイリスオーヤマの本拠地、仙台市に入ったのは3月13日の朝である。

この間、大山の頭にあったのは、従業員の安否、そして生産設備はどうなっているのかだ。アイリスオーヤマは被災者が緊急に必要とする生活用品を数多く作っている。一刻も早く工場を復旧し、製品を届けねばならない。それが地元メーカーとしての責務だろう。だが──。

テレビは犠牲者が2万人を超える、と報じていた。社員も被災者だ。家は崩壊し、知人や親戚が行方不明になっている。社業はかなぐり捨て救援を最優先すべきではないか。

悩み抜いて決断した。震災後の初の出勤日である14日、主力の角田工場(宮城県角田市)に社員を集めた。

「非情のようだが、起こったことは仕方がない。われわれは工場の復旧を第一優先にしよう」。だが、それだけで済むはずはない。続けた声が思わず涙声になっていた。「義援金を3億円拠出しよう。県にも市にも、必要なものは全部提供しよう。カネとモノは救援に振り向ける。人は工場復旧に振り向けよう。工場復旧はわれわれにしかできない」。 

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