ロック解除、FBIの秘密保持は正当化されるか アップルは教えて欲しいと言っているが…

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 3月30日、米連邦捜査局(FBI)は、カリフォルニア州で昨年起きた銃乱射事件の容疑者が使用していたアップルのスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」をどのようにロック解除したかについて、米政府規定に反して情報を留保することが認められるかもしれない。写真はカリフォルニア州で21日撮影(2016年 ロイター/Stephen Lam)

[ワシントン 30日 ロイター] - 米連邦捜査局(FBI)は、カリフォルニア州で昨年起きた銃乱射事件の容疑者が使用していたアップル<AAPL.O>のスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」をどのようにロック解除したかについて、米政府規定に反して情報を留保することが認められるかもしれない。

規定では、連邦機関が情報技術(IT)セキュリティーに不備を発見した際は、企業がデータ保護の不具合を修正できるよう、詳細を公表することが求められている。ただこの規定は法執行機関には例外を認めており、またいつどのように適用されるべきかは明確に定められていない。

アップル「解除方法を共有してほしい」

アップルは、ロック解除方法を共有してほしいと表明している。しかしFBIは、これまで複数の容疑者の暗号化された電話に残されたデータにアクセスできず苛立ちを感じてきたこともあり、カリフォルニア州サンバーナディーノの事件のサイード・ファルーク容疑者の電話のロック解除に成功した方法については公表を控えたいかもしれない。

審判的な役割を務める可能性が高いのは、連邦機関が発見したコンピューターのセキュリティーの不具合について協議し、公表の是非を決定するホワイトハウス内のグループだ。

専門家によると、このグループが審査を行う対象は明確に規定されていない。また審査が実施されても、FBIがロック解除に利用したアイフォーンの脆弱性の公表を求められることはないと専門家の多くはみている。ロック解除が契約先の技術を用いて行われた場合は、審査の対象外となることもあり得るとの見方もある。

米司法省の高官は会見で、ファルーク容疑者の端末の解除に使用された方法が他の端末でも有効かどうか、また今回の解除方法が他の法執行機関と共有されるかどうかについては回答を控えた。

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