第一三共、5年間で5000億円の事業開発投資

がん領域を優先

 3月31日、第一三共 <4568.T>は31日、5カ年の中期経営計画を策定したと発表した。写真は都内で2009年7月撮影(2016年 ロイター)

[東京 31日 ロイター] - 第一三共 <4568.T>は31日、2021年3月期を最終年度とする5カ年の中期経営計画を策定したと発表した。2025年に「がんに強みを持つグローバル企業になる」との目標を掲げ、中計の5年間で予定している5000億円の事業開発投資は、がん領域への投資を優先する。

インドのランバクシー・ラボラトリーズ<RANB.NS>を売却したことで、前中計で掲げた「グローバルハイブリッドビジネス」から、大きく転換を図る。

がん領域への投資について、中山讓治社長は会見で「できるだけ早く市場に出せるパイプラインと製品を獲得したい」と述べた。また、4月1日から「オンコロジーRDユニット」を発足させ、研究開発体制も整備。がん領域は、2021年3月期の売上収益400億円以上、25年度には3000億円規模への拡大を目指す。

研究開発費は5年間で9000億円と、年間2000億円程度だった従来と比べて、やや抑制気味となる。

中国事業については、投資の優先度を下げる方針を示した。

パテントクリフ、完全には克服できず

21年3月期の連結売上収益は1兆1000億円(16年3月期予想9800億円)、連結営業利益1650億円(同1300億円)を目指す。また、ROE(株主資本利益率)は8%以上の達成を掲げた。

高血圧症治療薬「オルメサルタン」は、2016年10月に米国、17年には欧州と日本で特許が切れる。15年3月期「オルメサルタン」は米国で1066億円、全世界では2935億円を売上げ、連結売上高の約3割を占める主力商品だ。

このため、同社は、経営課題のひとつとして「18年3月期のパテントクリフの克服」を挙げた。抗凝固薬「エドキサバン」や日本の主力製品、米子会社ルイトポルド・ファーマシューティカルズ(ニューヨーク州)の成長加速で売上げ回復を図るとともに、コスト削減や効率化を進めることで利益を創出する。

コスト削減は、16年3月期までに実施した削減効果と17年3月期・18年3月期に実施する削減の効果を合わせ570億円を見込んでいる。

18年3月期の売上収益9400億円、営業利益1000億円を目指す。ただ、これでも、16年3月期の予想を下回っており、中山社長は「パテントクリフは完全克服できていない。ただ、それを踏まえたうえで次の成長を実現するプラン」と述べた。

中計期間中の株主還元としては、総還元性向100%以上、普通配当年70円以上、機動的な自社株取得を行う。

 

(清水律子)

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