ソフトバンクとでも提携しないと顧客を満足させられない--山村雅之・NTT東日本社長

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ソフトバンクとでも提携しないと顧客を満足させられない--山村雅之・NTT東日本社長

固定電話から光回線に舵を切ったNTT東日本だが、その「フレッツ光」の契約数が伸び悩んでいる。2012年3月末の契約数は935万件だが、前年同期比伸び率は9.8%にとどまった。直近7月の解約数は単月で13万件と、前年同月比で1.3倍になり、8月には大幅値下げに踏み切った。携帯電話などモバイルがLTE(次世代高速通信)で高速化しており、固定回線そのものの存在意義が問われる中でどう成長策を描くのか。

--フレッツ光の契約数が伸び悩んでいる。現在の競争環境に対する認識は?

少し前まではケーブルテレビ(CATV)や競合の光回線通信会社との争いが主だったが、この半年で大きく環境は変わり、競争は複雑化した。要因は2つ。KDDIがスマートフォン(スマホ)とのセット割引をするなど競合他社がサービスを強化していること、そしてスマホの普及によるものだ。

解約の理由を分析すると、従来は固定回線を展開する競合他社に移るというのがほとんどだった。だが、最近はモバイルWi-Fiルーターなどにするので固定そのものがいらないという人が出てきた。

インターネット普及期とは違い、一人暮らし世帯も増えている。各支店には、まずお客様のニーズを聞いて必要なことは本社に情報を送ってほしい、と呼びかけている。本社ではその内容を精査して迅速にサービスの見直しをしてほしい。

--光回線販売の不調は独自サービスに魅力が感じられないという背景もある。自社だけでサービスを開発していくことに限界は感じないのか。

他社との協業自体を目的化するわけではないが、モバイルと固定の連動が急速に進んでいる中で力を借りるということは意識している。大規模なM&Aでサービスを強化するということはなかなか難しいが、グループ内の商材を使っていくという方法もある。

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