決着つかず延長へ ヤクルト買収攻防戦 交渉は二転三転

拡大
縮小

それでも、ダノンは撤退しなかった。02年10月からヤクルト株を買い進め、03年3月末には協調路線を取っていた海外投資会社から2400万株を数日間で取得。一気に約20%まで保有比率を高め、再度ヤクルトに提携を迫った。

1年間の協議の結果、04年3月にはダノンが現在の持ち株比率(20%)を5年間引き上げないというスタンドスティル(現状維持)条項が入った契約が結ばれた。この契約には5年後に36%まで買い進める権利を持つという条項も織り込まれていた。ダノンからの取締役2名の受け入れ、海外での合弁事業や研究開発分野での人材交流など戦略提携の契約も結ばれた。

07年5月15日には、スタンドスティル契約は3年間延長された。同時にダノンが派遣する取締役の数も4人に増員された(現在は計3人)。「経営トップレベルでのコミュニケーションを深める」といった趣旨の合意も交わされている。

現実には両社の提携によるめぼしい成果はない。ヤクルト関係者は「ダノンとの提携で得たものはない」と言ってはばからない。スタンドスティル契約が期限を迎えた今年も不毛な攻防が続いている。

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT